∵ シャー芯ちょうだい!

(あれ?)

カチカチカチカチ。
板書をしようとシャーペンを何度もノックするが芯が出てこない。
そういえば前の時間、使おうと思った時に短くなっていたらしく芯が引っ込んで出てこなかった。

あとで芯入れようと思って放って置いたんだったそうだった。

(えーっと、シャー芯は…)
筆箱を漁るが、中々見つからず焦る。

(あれ…?)
筆箱を逆さにし、机の上に中身を全て出してみるが、ない。

(あ…そういえば昨日、ルミが持ち出したんだった…)
使ったら元に戻すということを知らないのかアイツは。家に帰ったら注意しよう。

(まあ、いいか。スイッチにノート借りて家で写そう。そうだ。それがいい)

つんつん、と背中をつつかれる。身体を後ろに反らし、小声で話し掛けた。

「なんだ?」
「どうしたん?消しゴムか?ほれ」
「あ?ちげーよ」
「ちゃうんかい。ほななんやねん」
「シャー芯だよ。シャー芯」
「シャー芯?」
「うん」

「えーっと…あった、ほい」



シャー芯ちょうだい!
(お前こんな可愛いシャー芯ケース使ってんのか…あ、いやなんでもないですごめんなさいありがとうございます)

2012.03.04

( prev : top : next )
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -