∵ VirusBuster





「風邪だったらやっぱゼリーだよな」
「何言うとるんペロキャンに決まっとるやろ」
「風邪悪化するっつーの!」
「ええー?しゃーないな…スイッチの好きな食べ物ってなんやった?」
「グミ?」
「そんな歯ごたえあるもんアカンやろ」
「とりあえず飲み物とか買っていくか」





インターホンを鳴らし、暫くすればスイッチが玄関から姿を現した。


「どうしたんだよスイッチ」
「お前アホやな見て分かるやんけ」
「武装してんな」
「どっからどう見ても風邪やろ」

『インフルエンザだ。あまり近寄らない方がいいぞ』
「インフルか…そりゃあ2日も休むわけやな」
「学校に連絡してねえのか?」
『すっかり忘れていた』
「で、体調は?」
『今すぐにでも横になりたいくらいだ』
「悪いな。すぐ帰るからよ」

「でも良かったなあ、ただのインフルで」
『インフルをナメない方がいいぞ』

「せっかく誕生日祝ったろー思っとったのにインフルとか最悪やな」
『そうだな…ん?』
「誕生日おめでとう」
ボッスンが差し出した袋には、先程購入した飲料とプレゼントが入っている。

「開けてみてや」
スイッチはボッスンの包装したその包みを丁寧に剥がしていた。

『…』
包装紙を剥がせば、写真が印刷されているマウスパッドが現れる。

「どや?みんなで集まって撮ったんやで?」
『そうか。ありがとう』

「ちゃんとインフル治せよ」
「治ったらみんなでケーキ食べへん?」
「お、それいいな」
「ボッスンの奢りや」
「なんで!?」
『ありがとう』
「なっ…仕方ねえな…言っとくけど高いのは無理だかんな!安いのにしろよ!」
「やったなスイッチ!はよ治しや!」
『ああ』

「じゃあ、そろそろ帰るか」
「せやな」

「治ったらちゃんと学校来いよ」
「ケーキなんにするか考えといてなー!」
『ああ』



ボッスンとヒメコがその場を離れてすぐ、スイッチは二人にメールを送った。



「お、メールだ」
「アタシもや」

「スイッチ?」
「スイッチやな」



Data:2/28 18:42
From:スイッチ
To:ボッスン
To:ヒメコ
Sub:ありがとう
――――――――

心配を掛けてすまない



P.S.ケーキはモンブランで頼む


----END----



「モンブランやって、ボッスン」
「モンブランのホールケーキあんの?」
「あるやろ。でもアタシタルトがええなあー!」
「お前の誕生日じゃねえんだよ!」
「誕生日やったら買うてくれるん?」
「そういう意味じゃねえよ!」
「あと6か月とちょっとやな」
「買うとか言ってねえよ?」
「楽しみやなあ」
「人の話聞けって!」



VirusBuster

2012.02.28

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