∵ 欠席と出席





「スイッチ、今日も休みか」
「そうみたいやな。せっかく誕生日やのに」
「風邪かな?」
「ちょおアタシチュウさんに聞いてくるわ」


スイッチは昨日も休みだった。
電話を掛けても、メールをしても返事は無くて。
頭によぎった過去の記憶に少しだけ心配になった。また学校に来なくなったんじゃないかと。
そんなことは無いと信じているが、やはり休みの理由がなんであろうと気になる。


「チュウさんも知らんねんて」
「そうか…帰り、行ってみるか。スイッチの家」
「せやな」



「そういやモモカお昼に生番組出るらしいで」
「そうなの!?」
「いいかものテレフォンのコーナーやって」
「すげえな」

「4限目授業なんやったっけ?」
「あ、お前サボる気か!ずりーぞ!」
「前みたいに教室でコソコソワンセグ視るのイヤやねんもん」
「よし、オレもサボる!」
「あ、なんやお前!二人揃って授業出てへんかったら怪しまれるやんか!」
「じゃあお前授業出ろよ」
「イヤやめんどくさい」
「オレだってやだよ数学分かんねえもん」
「分からへんならちゃんと出なアカンやろ」
「イヤだ!てか主旨変わってきてんぞ」
「しゃーない。部室で録画して教室でこっそり見るわ。ボッスンは先生見張っといてな」
「なんで!?オレ見れないの?」
「残念やったな」

「ボッスン」
「お、どうした内田」
「4限と3限入れ換えだって」
「入れ替え?」
「中馬先生のミスだって」
「チュウさん…」
「ほんで3時間目てなんやったっけ?」
「体育だよ」
「じゃあ4時間目体育になるん?」
「うん」

「見れないな、結局」
「せやなー…録画で我慢するしかないなー…それかサボるか」
「それ無しだっつってんだろ!」
「冗談や。それに最近地味な依頼ばっかやったから体育で動かなアカンねん」
「太ったのか」
「太ったとか言うなや!黙っとけハゲコラ!」
「オレハゲ!?ハゲなの?」

その後もチャイムがなるまで口論は続いた

結局4限目もテレビを見ることなく普通に授業を受けたのだった。



欠席と出席


2012.02.28

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