∵ サンタ不法侵入 「メリークリスマス、会長」 「き、キリ!?」 ボクは、寝ていた。 ふと目を覚ますと、キリがいた。 寝呆けているのか、ボクは。 目を擦って再びキリを見た。 「驚かせてすいません」 「ふ、不法侵入だ!」 「今日はクリスマスですから許してください」 そうだ、とキリは肩に掛けていた鞄から何か取り出した。 「プレゼントを持ってきたんです。本当は枕元に置いて帰るつもりだったんですけど」 差し出されたそれは、赤い袋だった。 「開けてもいいか?」 「どうぞ」 リボンを解き、袋を覗けば中には手袋とマフラーが入っていた。 「会長に似合うと思ったんですけど…気に入らなかったら捨ててください」 「ありがとう。明日から使わせてもらう」 「では、オレはそろそろ帰ります」 「キリ」 「なんでしょう?」 「キリは、何か欲しいものないか?明日一緒に買いに行こう」 「プレゼントならもういいです」 「え?」 「会長の寝顔と笑顔が見れたので」 「それは…」 「あ、でも、会長とデートしたいです」 キリは明日また、とあっという間に姿を消した。 (もう一眠りする前に明日の予定を考えよう) 2011.12.24 |