∵ go to school ← 「ウマいな」 コンビニで買ったジュースを飲みながらゆっくりと学校に向かって歩いていた。 「痛っ」 いきなり後ろから頭を何かで叩かれた。落ちたそれを見れば、お菓子の詰め合わせだった。 「おはようボッスン!それアンタにやるわ!プレゼントや」 声の主は当然のようにヒメコだった。なんでこいつ朝からこんなハイテンションなんだ。ていうかお菓子をそんな扱いしたら間違いなくバキバキだろう。 「何すんだよ!」 「なんやいらんのかいな」 「いるよ!?何も叩くことねーじゃん!うまい棒とか絶対割れてんじゃん!」 「おお、すまんすまん!でも食うたら一緒やん」 「そういう問題じゃねえ!」 「なんやせっかく買うてきてあげたのに」 「それはまあ、ありがとう」 「あ、せや、アンタ夜寝とったやろ!」 「ん?ああ、昨日帰ってからずっと寝てた」 「せっかく電話してやったのになあ」 「メールでいいだろ」 「メールめんどくさいねん」 『君たち、歩く速度が遅すぎるぞ』 聞き慣れた音が後ろから聞こえた。 「おお、スイッチ!おはよう!」 『そのスピードのままだと間違いなく遅刻だな』 「ボッスンが亀やからな」 「亀とか言うな!マイペースと言え!」 「ほんなら走ってみろや!」 「なんでわざわざ走んなきゃなんねーんだよ」 「朝練や!」 「スケット団の朝練はこうしてだらだらのんびり登校することだ!」 「ただのナマケモノやないか!ちょっとは身体鍛えろや!ほら行くでー!」 「ちょ、おい!引っ張るな!」 「スイッチ、手伝ってやー」 結局ズルズルと引きずられ気味に仕方なく走った。ペースが早くてしんどいぞ。 → |