∵ アフターサプライズ

スイモモ





七夕ライブというなんともアイドルらしい演出のステージだった。


「モモカお疲れー!ごっつ可愛いかったでー!」
「ありがとう姉さん」
「凄い演出だったよなー」
『金掛かってるなw』

「アタシもこんなフリフリ着てみたいわー!」
「姉さんならきっと似合うよ!」
「こんなのコイツに似合うわけねーだろ?」
「なんやと!?」
「ごめんなさいすいません叩かないでくださいギャアァー!」
「待たんかいコラァーー!」
「あ、ちょっと姉さん!」


「…行っちゃったね」
『ああ』
「姉さんにプレゼント渡そうと思ったのに」
『そのうち戻ってくるだろう』
「片付けの邪魔になってないといいけど…」
『怒られて戻ってくるかもなw』
「そうだね。そういえば、サプライズは成功したのかい?」
『まあな』
「アタイも行きたかったなー」
『リハーサルなら仕方ない』
「どうしても時間が合わなくて」
『ヒメコはきっと気持ちだけで嬉しがると思うぞ』
「うん…」

あの二人はどこまで行ったんだろう。まだ戻ってこないのか。いざ2人きりになると何を喋ったらいいか分からない。沈黙が続いた。


「……あのさ、来てくれてありがとう」
『毎度のことだからな』
「今日は、その…どうだった?」
『良かったぞ。織姫の衣装とか』
「衣装さんが頑張ってくれたおかげだよ」
『晴れてたら良かったのにな』
「七夕は毎年雨って聞くから屋内にしたんだ。でも星とか見たかったかなー」
『今日は星どころか月さえ見えなかったぞ』
「そっか。残念」

『…………見せてやろうか?』
「え?」
『ちょっと出よう』




舞台袖に連れて来られ、ステージのライトが消えたらステージに上がるよう指示された。


「……!」
暗闇の中、ただ一つの灯り。それは客席の一番奥で光を放っていた。

「何やってんのさ…」
『どうだ?星に見えたか?』
「見えたよ、一番星だね…」
それはとても星には見えなかったけど、サイリウムを精一杯振るスイッチは最高の流れ星を作ってくれた。




──────────
ネタ:星が瞬くこんな夜に
全然この曲の要素入ってませんがアイデアはここから貰いました。
まあ、アイドルとの恋の定番ネタに近いですが。


2011.07.07


( prev : top : next )
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -