∵ アナザーサプライズ

ボッスンとスイッチとミチル





昼食後、ヒメコがキャプテンのクラスに遊びに行ったのを見計らい、生徒会室に来ていた。

「スポンジ買ってきて生クリーム塗って果物飾るだけなら出来るんだけどよーどうせなら最初からちゃんと作りたいんだ」
『味もプロっぽくしたい』
「だからさ、作り方教えてくれ!」
『ついでに手伝ってくれると助かる』

「いいよ。女の子のためなら大歓迎だ」

料理上手な学園の貴公子は思った通りの返事をした。

「で、どういうケーキが作りたいのか具体的に教えてくれるかな」
「そうだなー全然考えてなかったけどよーなんかそれっぽいので」
「それっぽいってまたアバウトだなぁ…」

「なあ、生クリームってどうやって作んだ?」
「もしかして生クリームも一から作ろうとしてる?」
「おう!なんだ、出来ねーのか?」
「生クリームがどうやって作られてるか知ってる?
精製していない乳を加熱殺傷した後、放置したり冷却すると上にクリームが分離してくるんだ。これを使うのが原始的な方法なんだよ」
『つまり、どこかの牧場か何かに頼らなければならないんだな』
「そういうこと」

「それでしたら私が用意致しますわ」
「ミモリン!?」
「さすが丹生グループ!」


昼食タイムも終わり、授業が始まるというのに家庭科室に移動した。

「というわけで、結局材料と道具は全部ミモリンが用意してくれました」
「すげーなおい!」
『フルーツが高級そうで摘み食いしたくなるな』

「おほっ、これうめーな!」
「なんで安形がいるんだよ!」
「なんでってそりゃあおめーアレだ。手伝いに来た」
「嘘つけ!また酒蒸しでも作りに来たんでしょ!」
「今日はウイスキーボンボン作りに来た」
「もっと駄目だよ!いいからそこで大人しくしてろ!」

「なあ、早く教えてくれよー」
「ああ、ごめん。じゃあスポンジから作ろうか」




数時間後


「やっと出来たぜ!授業サボった甲斐があったな!」
『見事に付き合わされたな』
「まあ、いいんじゃない」
「よし、時間もちょうどいいし見つかる前に早く体育館行こうぜ!」



喜んでくれるだろうか。
笑ってくれるだろうか。
もしかすると泣くかもな。


今日の主役登場まであと10分。


──────────
ケーキづくりの工程が書きたかったんだけど長くなるからカット。
生クリームの作られ方はあれでいいのだろうか。
丹生グループは生クリームをどうしたかというと、
乳絞りから何から作業をし出来立ての生クリームをお届けしたんです多分。
もしくは家の料理長が所持していた生クリーム。
ってことにしときます。


2011.07.07


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