∵ サプライズ

放課後、アタシは体育館へ向かった。

朝、
放課後体育館へ来れし
そう書かれたメールが届いたからだ。
差出人は、不明だ。
「知らんアドレス…」




「なんや誰もおらんやん」
部活が休みなのか普段活動中のバスケ部も居なかった。
「ただのいたずらか」
体育館を出ようとした時、パンッパンッと次々に音がした。と、独特のクラッカーの匂いと見知った顔。


「せーの!」

\誕生日おめでとう!/



「なんで…」
自分の誕生日を忘れてた、なんて話はよく聞くが、
アタシは忘れるはずがなかった。
世間的には誕生日より七夕の日。

サプライズには、薄々気づいていた。けど、嬉しかったのだ。



「じゃーん!ケーキ焼いてきたんだぜ!」
赤いツノの帽子の彼が大きめの箱を差し出した。
『開けてみてくれ』
パーティーグッズを着飾ったパソコンの彼に笑いつつ
そっと箱の上部を持ち上げるとそこには大好きな飴のあのキャラクターがいた。
「きゃー!ペロリンやー!ペロリンがおるー!」
「オレが作ったんだからな!」
ケーキの品を失わないようにか小さめに砂糖菓子で作られたそれは器用に再現されていた。
「あ、ありがとう…」

「オレにもお礼をしてくれないとなー」
「生徒会のモテる人やん。なんでおるん?」
「名前で呼んでくれないかな…?」
「ケーキ作んのに協力して貰ったんだ」
「そっか…」
「おめでとう」
「あ、りがとう」

生徒会の人達や、キャプテンや結城さん、ヤバ沢さん、他にもたくさんの人たちがいて、
ああ、アタシ幸せなんやなあと思ったら涙が出てきた。

「ぅ…うわぁぁあん!」
「な、なんで泣くんだよ!」
「だって嬉しいんやもん…!」
『ローソクに火をつけるぞ』
それからみんなで誕生日の歌を歌ってくれた。
ケーキを取り分けて貰って、紙コップで乾杯した。
おめでとう、とあちこちから声が飛ぶ。


ああ、アタシは、幸せもんや。




サプライズ


──────────
ネタ:涙サプライズ

少しだけ涙サプライズっぽく。
ちょうど7日は木曜なのに
アニメは内田回というね!
オリジナルでヒメコ誕話とかやって欲しかったんだけどな!
いやまだ諦めてないよ!部室トークのコーナーとかあるし!
まだちょっと期待してるよ!


2011.07.07


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