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「アッシュ…ありがとうございます……そう仰って頂けて…私……」


「ナタリア……?」



言いかけたまま俯いてしまったナタリアを心配するアッシュ。


次の瞬間。



「私、今日一日アッシュの看病をしますわ!」


「…あ?」


「アッシュが早く良くなるよう、栄養のある物を作って来ます!キッチンをお借りしますわ!」


「ま、待て!」



引き留めようと叫ぶが、時既に遅し。


ナタリアの姿はキッチンへと消えて行った。


……ナタリアの料理…。


風邪の辛さを、腹の痛みが超えるかもしれないとアッシュは思った。



「いや、良薬口に苦しとも言うから……逆に栄養は満点な可能性も……!!」



少しでも希望を見出そうとしたアッシュだが、敢え無く撃沈。


ナタリアの料理は、『苦い』なんて言葉では表現出来ない物だった。





次の日、そのままアッシュの部屋で寝てしまっていたナタリアは、風邪を移されベッド行き。


アッシュは既に風邪の症状を超えて、瀕死となっていた。


何故か神託の盾本部で寝込んだナタリアと、意識の戻らないアッシュ。


二人の看病には、六神将の者が駆り出され……



「貴方も、殿方としての礼儀がなっていませんわ。私が今日一日でしっかり叩き込んで……」



アッシュの担当に逃げたシンクの代わりに、一日中ナタリアの説教を受けるラルゴの姿があった。





愛に試練は付き物である。





-end-





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