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「あれ?アンタ……」



そこへ兵にとっての救世主、任務から本部へと帰還したシンクが通りかかる。



「し、シンク様!!この者が此処を通せと……」


「…へぇ、一人で乗り込むなんて、いい度胸だね。何なら僕が相手になるよ?」


「お黙りなさいっ!!」



戦闘の構えを取ろうとしていたシンクもその怒声に固まる。



「貴方達のような野蛮な輩と一緒にされるとは、不本意ですわ。私は貴方達が攻めてこない限り戦うつもりなど、一切ありませんもの。」


「…は?」


「貴方達が馬鹿みたいに騒ぎを起こして喧嘩を売って来るので、買ってあげているだけと言う事ですわ…!!」


「馬鹿みたいって……」


「私はアッシュのお見舞いに参りましたの。」


「アッシュ?ああ、そう言えば風邪で寝込んでるって……」


「それですわ!!」



一言一言に厳しく、激しく返って来るナタリアの声に、シンクは既に引き気味。



「早く私のアッシュに会いたいのです。此処を通しなさい。」


「し、シンク様〜…!」



矢を向けられた兵はシンクに助けを求める。


シンクも巻き込まれるのは御免だと、本部に入れる事を許可した。



「ま、後は好きにしてよ。確かにイオンがいないなら、こっちも戦う意味は無いし。」


「待ちなさい。」



去ろうとしたシンクは腕の紐を引かれてつんのめる。



「私はアッシュの部屋を知りません。」


「…あっそ。その辺の奴にでも聞けば…」


「一度認めたからには最後まで責任を持つのが殿方でしょう!!」


「え……」


「さぁ、早くアッシュの部屋に連れて行って下さいませ。」


「……。」



二度とこの王女と関わりたくないと、心の底から思ったシンクだった。





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