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―どうせもう、みんな消えるのさ。―



「どうせもう、みんな消えるのさ。」



地に伏せたレプリカ達を見下ろして言った。


だってそうだろう?


もし此処で僕が倒れたとしても、アンタ達がヴァンに勝てる訳ないんだ。



「アンタ達がどれだけ足掻こうが、無駄なんだよ。分かるだろう…?」



そう言ってやっても、まだ必死に立とうと手を地に付くレプリカ達。



「……本当に、馬鹿だね…。」



その時トドメを刺して置かなかったのは、余裕?


それとも、同情?


……もしかしたら、少しだけ…コイツらにも希望を持ってしまったのかもしれない。


そう…第七音素を消し去ってくれるなら、誰でも良かったんだから。



「俺達は…こんな所で負けられないんだ…!!」


「兄さんを…止めてみせる…っ。」


「私達には、民の希望に応える義務があるのです!」


「…のんびりとは、していられないのですよ。」


「旦那の言う通り…休んでる訳にもいかないな…。」


「お願い、シンク…そこを退いて!…これ以上…悲しみたくないよ…っ…」



勝手だね、みんな。


無駄だって言ってるのに。


消えるって言ってるのに。


それでも、立ち向かおうとする。



「……ねぇ…」


「え…?」


「人は消えても、この空は変わらないんだろうね…。」


「シンク…?」


「もし生まれ変わった時に、まだこの世界があったら……」



毎日空を見上げて


毎日雲が流れるのを見て


憎しみなんて忘れて


人間として生きたい…



「シンク、お前……」


「…さぁ、無駄話は終わりだよ。続きをやろうか。世界はどっちを選ぶのか……」


「シンク…あんた馬鹿だよ…っ本当に…!!」



この世界があったら、なんて…もしレプリカ達が勝ったら、なんて…。


少し考えていたらしい。


やっぱり僕は、馬鹿なんだろうね……。





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