8 08.ケーキ作り 「がはっ……」 また一人、地に伏せる。 「アッシュ!!」 慌てて駆け寄るシンク。 「シン…ク……後は…任せ…っ」 そう言って彼の目は固く閉ざされた。 シンクの周りには既に力尽きたディスト、リグレット。 そして今、アッシュもその仲間入りをした。 「くそっ…こんな……こんなヤツに…!!」 シンクの視線の先には……ケーキ。 アリエッタ作。 第三者からすると、大変不思議な図である。 ケーキの前にフォークを握り締めた者達が倒れている。 「ここまでやるとは…一体どんな食材を……」 「シンク…シンクも食べて……?」 アリエッタが嬉しそうに笑顔を向けて話し掛ける。 「Σ…いや、僕はちょっと……」 「食べてくれないの……?頑張って作ったのに……」 いやいや、ちょっと待って下さいよ。人間じゃないアンタのお友達すら泡を吹いて倒れてるんだよ?人間の食べれる物じゃないだろ。って言うか助けなくて良い訳?byシンク 「分かった。体調が悪くて、目眩がして、吐気までする、けど食べるよ。こんなに具合悪いから一口だけだよ?」 一口…一口なら……byシンク パクッ………バタンッ 「……まず……」 「シンク!!しっかりしろ!!」 「ラルゴ…アンタは…六神将の……いや…魔物界を含めた全ての生き物の命の為に……戦って…あんな危険な物を世界に出しては…だめ…だ…」 「シンクーっ!!」 お前ら馬鹿っぽいぞ、ほんと。byヴァン(他人事) 「くっ…分かった…俺は全ての命運を負って、お前に勝負を挑む!!」 ケーキをビシッと指差すラルゴ。 「勝負!!」 ゆっくりとケーキを口に運ぶラルゴ。 しかし…… 「Σごふぁ…っ…鼻が…鼻がもげる…!!」 臭いにやられて撃沈。 恐るべし、アリエッタのケーキ。(周りは屍類々) ナタリア姫も同じような物を作ってる事だろう。 ヴァンの部屋に悪魔のケーキが運ばれるまで、残り30秒。byナレーター 08.ケーキ作り-end- ←→ back |