3 03.雪が降らない=降らせよう? 「さて、皆。クリスマスの一番強いイメージは何だね?」 「強いイメージ…?」 考え込むアリエッタの後ろから、アッシュが口を挟む。 「…雪か?」 「そう、雪だ!!しかし見よ、この空を!!雪が見えるか!?」 「…いや、晴天だな。星が綺麗に……」 「それじゃいかんのだ!」 「……。」 「折角サンタクロ……げほがほ。立派なクリスマスツリーまで作ったのにだな!雰囲気が無ければ台無しではないか!!どっかの馬鹿が折角積もっていた雪まで消しさってしまって……」 視線をシンクに向けるが、見事に知らん顔された。 …おのれ、生意気なガキんちょめ。 「…だから、総長はどうしたいのだ?」 「良くぞ聞いてくれた、ラルゴよ。花丸をやろう。」 「いらん。」 「つまりだな、降らないのなら自分で降らせれば良いのだ。」 「そっち系はディスト専門だろ。」 「アッシュ、私と思考が同じだな。」 「失礼な。」 「…今の発言は聞き流そう。兎に角ディストだ。そのディストがだな……」 「…研究所が爆発してそれどころではないのだ。」 私の代わりに答えたリグレット。 「爆発?何でまた……」 「さっき作った星がどうたらと言っていたが…。」 「つまり今、ディストは使い物にならないって事か。」 「ああ。」 「…じゃあさ。結局ヴァンは、僕達に何をさせようとしてる訳?」 「…譜術で雪を降らせるのだよ、シンク。」 「…アンタ、馬鹿だろ。そんなの無理に決まって……」 「そうかそうか!そんなに一番手をやりたいか!良いぞ、シンク。雪を降らせなさい。」 「いや、そんな事一言も…」 「さぁ行こうか、シンク。人々に希望を与えに!!」 「いや、何それ。意味分からないから。ちょ、待っ…引っ張……うわっ……」 遠ざかるシンクの声に同情した。byラルゴ ――その日、雪の代わりに氷が降り続いたと言う。 ささやかな復讐を遂げた私。 パイングミを食べ続けるシンクを大爆笑してやった。(真面目に殴られたが) 雪に混じって降る氷が痛かったぞ。byヴァン 03.雪が降らない=降らせよう?-end- ←→ back |