6 「でもルーク、突然どうしたの?」 「だから…その…いつものお礼……」 「…それはとても嬉しいけれど…プレゼントまで貰う程、何かした覚えも無いわ。」 「そ、そんな事ない!ティアはいつだって俺を見ててくれた……」 ルークはきっと顔を上げてティアを見つめた。 「だから、尚更…!ティアに冷たくされるのが嫌なんだよ!」 叫ぶようにして訴えたルークに、ティアは再び驚かされた。 「えっと…私、そんなに冷たくしてるように見えた……?」 「え?」 今度聞き返すのはルークの番。 「ティア…無意識、だったのか?」 「え、いえ…その……昨日の夢にね、貴方が出てきたの。」 「俺が?」 「ええ。けれど、夢の貴方は未だ変わっていなくて…まだ我が儘し放題だった。」 「……」 過去の自分を思いだしたのか、ルークは反応に困ったように眉を顰めた。 「でも、今の貴方はそれと全然違う。変わった。…それが、嬉しくもあって、寂しくもあって…色々考えてしまっていたの。ただ、それだけ。」 「って事は、別に怒ってる訳でも…嫌われた訳でもないんだな…?」 「あ、当たり前よ。怒ってないって、ずっと言ってるじゃない。」 「…なんだぁ〜……」 安心して気が抜けたのか、ルークは思わず涙目になる。 「ご、ごめんなさいルーク。気を遣わせてしまったみたいね…。」 「いいよ、俺の勘違いだったんだし…」 「…本当に変わったわね、ルーク。」 ティアはその様子を見て優しく微笑んだ。 「他人の心配なんて、出来ないような人だったのに…」 「そ、それは…昔の話だろ!」 「そう、昔の話…今の貴方は……」 百倍、格好良いわ。 強がる貴方より、 素直な貴方が一番良い。 変わった貴方 それでも私は 見守り続けるから。 -end- ← back |