5 その後、石化してしまったルーク。 少し申し訳ないと思ったのか、漸く大佐が重い腰を上げた。 「…ルーク、これは私の拙い発案であり、一つの意見として取って頂きたいのですが……」 「……何だよ。」 「こうしてみては、如何でしょう。」 ―――…… 「ティア…!」 「…ルーク?」 振り向いたティアは、先程と同じ反応。 ルークはめげずに、ジェイドに言われた通りの事を実行した。 「あのさ…これ!」 ずいっとティアの前に差し出した物。 綺麗にラッピングされた小さな箱だった。 「…何?これ……」 「それ…えっと…いつも、ありがとうって…お礼で……」 疑問を隠せず聞いたティアに、ルークは恥ずかしさに赤くなった顔を両腕で隠すようにして答えた。 「…私、に…?」 「あ、当たり前だろ!」 これ以上言わせるなと言わんばかりのルークに、ティアは思わず笑みを零した。 「有り難う、ルーク。開けてもいい?」 「お、おう!」 直視出来ないらしいルークは、目を泳がしながら頷いた。 「…これ……」 包みを開いて出てきたのは、小さなクマの人形だった。 「え、あの……」 可愛いもの、と言う事だけで内心とても喜んでいるティアだが、プライドがそれの邪魔をする。 しかし、戸惑っているのは事実だった。 「ルーク…これって…?」 「だ、駄目だったか!?」 「え……」 「ティア、可愛い物とか嫌いだったか…!?」 焦ったように捲し立てて来たルークには、思わずぶんぶんと首を横に振る。 「そ、そんな事…!凄く可愛くて、気に入ったわ!嬉しいもの!」 「そ、そっか…良かったぁ……」 へなっと椅子に座り込んでしまったルークに、ティアは首を傾げた。 _ ←→ back |