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「先ずはやっぱり、単刀直入に聞いてみるのはどうだ?」


「そうですね、状況を知らずに突っ込むのは無謀と言うものです。」


「と言うことで、情報収集だ。行け、ルーク。」


「お、おう!」





―――……





ああ言われて来てみたものの。


ベンチに座って黄昏ている様子のティアを見つけたまでは良かったが、話し掛けづらい。


ドキドキと鼓動する心臓を抑えるように胸に手を置き、ルークは一歩踏み出した。



「…ティ、ティア!」



突然呼ばれた事に驚いたのだろうか、ティアは勢い良く振り向いた。



「…ルーク?」



普段と別段変わりない様子。


内心ホッとしつつ、ルークは続けた。



「…あ、あのさ……朝、何か機嫌悪かっただろ?もし俺が何かしたなら、謝りたくて……」



しどろもどろになりながら必死に訴えるルーク。


しかし、ティアはじっとルークを見てから、直ぐに視線を逸らして溜め息を吐いた。



「…何でもないわ……」



今朝と同じ様子に戻ってしまったティアを見て、一瞬安堵していた心臓が再び鼓動を早める。



「な、何でもなくねぇだろ…!?」


「何も怒ってないもの。」


「じゃ、じゃあ何か悩みか!?なら俺が相談に…!」


「そんな重要な事じゃないから、心配しないで。」



そう言うとティアは、再び大きな溜め息を吐いた。



「…や、やっぱり俺か……?」



ティアに聞こえないような声で、ルークは呟いた。


頭にガーン、ガーンとショック音を反響させながら。





―――……





「……って訳で……」


「第一作戦は失敗か…。」


「ストレート過ぎましたかねぇ。」


「うーん。確かに少し様子がおかしいな。だけどティアは、怒る時は遠慮なく怒るよな、ルーク相手なら特に。」


「と言う事は、やはり怒っている訳ではないと。」


「で、でもさ…俺を見ると溜め息を吐くんだよ…俺の顔、何か付いてるのか?」



ルークの言葉に、二人はじっとその顔を見た。



「…いんや、相変わらずの間抜け顔だな。」


「馬鹿面ですね。」


「……お前ら……」





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