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――ルークside――



「ん……」


「ルーク!?大丈夫?」


「あれ…俺……」



目を覚ますと、喉がズキズキして少しせき込んだ。


口の中はしょっぱい味がした。


落ち着いて再び目を開くと、目の前にはティアの顔。


自分が膝枕をされているのだと、漸く気付いた。


慌てて飛び起きる。



「うわ!ご、ごめ……」


「……貴方、私を助けてから直ぐ溺れちゃったのよ。」



苦笑気味に説明するティア。


俺は、無我夢中でティアを助けてから…そう、初めての状況に混乱し、水を飲んで意識を失ったのだ。



「私が貴方を支えて浮いている時に、ガイが来てくれて…陸まで運んだのよ。」


「……ごめん…迷惑、掛けたよな……」


「いえ。……ありがとう、凄く嬉しかった。」


「……え?」


「だって、心配してくれたんでしょう?」


「…そう、だけど……俺、結局迷惑掛けちゃっただけだし……」


「貴方が心配して、助けに来てくれた…それだけで、凄く嬉しかったから。」



優しく微笑んでくれるティアに、安心して笑い返した。



「…ほら、だから言ったでしょう?危険だと。…剣を持ったまま海に飛び込むなんて……」


「え?…悪い、気付かなかった……」


「……まぁ、良いでしょう。私の声など聞こえない程、愛しの君を心配していたと言う事ですから。」



皮肉めいたジェイドの言葉に、俺の顔は赤くなった。


気のせいでなければ、ティアも赤くなってたと思う。



「おやおやぁ?反論がないのは、つまらないですねぇ。…私はもう少し休みますので、また泳いで来たらどうです?今度は、お二人で。」



にっこりと笑ったジェイド、それは二人なら安心だろうと遠回りに述べた言葉。



「…行きましょうか、ルーク。」


「あ、ああ…!」



差し出された手を取る。


今日の頭からやり直す。


今度は、ティアの傍を離れないように。


一緒に居られるように。





燦々と照り付ける太陽は


俺たちを見下ろし


嘲笑う


笑う


そして最後に


微笑む





-end-





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