4 ――次の日。 すっかり回復したルークがその場にいた。 「おい、ルーク。昨日、熱出したんだって?もう大丈夫なのか?」 「ああ。」 「…知恵熱ですかねぇ?」 「大佐ぁ?ルークはそんなに考え込める程の知能が元よりありませんって!短気だしぃ。」 「んだとーっ!?」 「ほら怒ったー!」 いつもの様子のルークを、微笑みながら見守るティア。 その視線に気付いたルークは、一瞬視線を泳がせてから、何か覚悟を決めたようにズカズカとティアに歩み寄った。 「…これ、やる!」 「え?」 突然差し出された小さな箱。 反射的にそれを受け取れば、ルークは他に言う事なく逃げるようにガイ達の元へ去ってしまった。 「…何かしら。」 小さな箱を片手に、ゆっくりと包装を解く。 「あ……」 彼女の表情は優しく微笑んだ。 その手には、小さなネックレスと『ありがとう』と一言書かれたカード。 その日から、彼女の首では常にネックレスが輝いていた。 君のこと 一つ知る度に また一歩 君との距離が縮んでいく あと何歩で 触れることができますか -end- ← back |