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自分の裏切りが、その者の命を絶つ事になるだろうとは思っていた。


それでも、家族には代えられなくて。





最初は顔も知らない奴の命なんてどうでも良かった。


少し罪悪感があるくらい。





だけど日が経つにつれ、彼に惹かれて行く自分に気付いた。


素直過ぎて、優しすぎて。





私の行為に気付いた後も、彼は私に向かって笑っていた。


それは、私の為に。





ああ、零れた涙はどれくらいになるだろう。


彼の為に流した涙は…



「イオン様……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…っ…」



『ごめんなさい』は何度目になるだろう。


相手のいない謝罪は…。





許して欲しいの。


また、笑って欲しいの。


隣にいて欲しいの。


それは叶わない願いだけれど。





どれだけ泣いたら


どれだけ謝ったら


許してくれますか





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