1 唐突に、体中が重くなった気がして、わたしは心地いい眠りから目を覚ました。 今日は土曜日で、いつもより長く眠ることが出来るだろうと思い、昨日の夜は少し遅くまで起きていたからもう少しだけ眠っていたい。そう思ったのもつかの間、体にのしかかった重みが少し動いた…というか、身じろぎしたような気がしたから黙って目を開けて体を少しだけ起こして、視界に入った真っ赤なキレイないかにも天然地毛ですとでも主張したげなひよこのようなかわいらしい髪型をした体格のいいへそだし少年の存在にただただ驚くばかりで必死で起きたばかりでうまく働かないおばかな脳みそを使って導き出した答えは。 彼を、起こしてみようということ。 「……あの、おきて?」 「…ん。」 「おきて、おきてってば。」 「…あと5分、だけ…。」 「おきて!」 「……なんだよ、ティアかぁ…?」 ゆっくりと目を開けて、ぼんやりとした表情で私を見つめるひよこ頭の彼は、どうやら少し寝ぼけているようで、ぺちぺちと軽く音を立てて頬を叩くと彼はぱちぱちと目を瞬きさせると、ムクリと起き上がる。 どうやら、寝起きは意外といいようだった。 「……あれ?ガイ?」 「へ?がい?」 「……お前、誰?」 「…うんと、なんだかこの流れどこかで見たような?」 変な予感は的中。 彼は、第2のひよこ。 オールドラントからやってきたという、レプリカの少年だった。 _ → back |