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「へぇ。そうなんだ…。」




とりあえず、腹の虫が鳴り響いたらしい彼の為に軽め食事を用意して、一緒に机を囲んで食事を始め、とりあえず彼のことをたずねてみた。





「あぁ。イオンもシンク死んだはずなのに、いつの間にかひょっこり生きて出てきたし、行方不明になってたはずのフローリアンも帰ってきてさ。…なんでかとおもったら、名無しのところにいたんだな?」

「えと、うん。」





口にパンを詰め込みながら喋る彼は、ルークという名の少年。

どうやら、イオンやシンクの事を知っているらしい人物。実際の年齢は20歳…じゃなくて、10歳だそうだ。






それにして、も。


イオンと、シンクと、フローリアン。



彼らは突然わたしの前に現れて、そして、消えていった。



大切な、彼ら。





どうやらきちんと生きているらしいうえに、あちら側できちんと生活もできているようで、私はルークの言葉に内心ほっと安堵のため息をつきながら焼けたトーストをほおばった。


「あいつら、ずっと上の空でさ。ときどき知らない人の名前呟いてたんだけどさ…それって、名無しのことだったんだな?」

「え?呟いてた?」

「ああ、すっごく寂しそうに呟いてたからさ…あいつらも、きっと名無しに逢いたいんだよ。」







その言葉で少しだけ幸せになった私の心、なんだか泣きそうだったけれど、不思議そうな顔をするルークの前では、泣けなかった。










そうして、帰ることが出来ないルークと一緒に生活を始めるのは、今からのお話で。







のちのち、彼女自身がオールドラントへとトリップしてしまうというのは、また別のお話。





-end-
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海里様





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