小話 | ナノ


 *魔術シーン



「知識があるのは知ってたけど、実際に使えるとはね。」
白猫は愉快そうに尻尾を揺らした。
じゃあこれは?唇が綺麗な孤を描く。足下に展開する魔法陣。
術式からして炎系か。
「朱華、それは紅蓮たる炎剣……。」
詠唱を始める。
ひやりとした空気がまとわりつく。
「…―――――…。」
「女王と同じ式…。面白いじゃないか!」
もう白猫の式は完成していた。 アクアマリンとエメラルドの瞳は真っ直ぐにこちらを見ていた。
「……我は始祖なり。」
こちらの式が完成した瞬間、白猫は手を振った。
炎が槍の形をとり、眼前に迫る。だが。
「流石。」
触れはしない。何故ならそれは眼前で消滅したから。炎槍は触れたそばから、白い水煙となって消えた。
「なら、もう一回行くよ!」
饒舌な猫だ。もう一度魔法陣を展開しようとして、驚愕。





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