高校生シズ×24臨



街で出会った一人の少年。
最初は、ただの高校生、としか認識していなかったけれど。
何度か会って、偶然であった出来事に、その考えは変わった。
そこら辺にある標識や、ガードレールなどを投げ飛ばしたりする、人間とは到底思えないほどの力を発揮する彼に、とても興味が湧いて。
俺は週に2、3回のペースで、彼が生活している池袋へと足を運んでいる。
彼に会う、ただそれだけの理由で、拠点である新宿から池袋へ行くなんて、我ながら馬鹿な話だと思う。
正直言って滑稽だ。
でも、それでもやめられないのは、彼、シズちゃんがとても興味深いからである。

今日も今日とて、池袋へ行くと、学校帰りのシズちゃんと出くわした。


「シーズちゃんっ」

「またてめーか…、いい加減うぜーんだよ、臨也くんよぉ…!!」

「俺が来るたびそんなに怒ってると身体に悪いよー?」

「うるせぇ!だったらてめぇが二度と池袋にこなければいい話だろ!!!」


持っていた通学鞄を投げ捨てたあと標識を引っこ抜いて、逃げる俺を追いかけてくるシズちゃん。
俺も負けじと仕込みナイフを取り出した。

まったく、少しちょっかいだしに来ただけなのになんなんだよシズちゃんの馬鹿。
ていうかさ、俺が何しようが俺の勝手でしょうが。
俺のこと年上だってことも忘れてるんじゃないの?

そんなことを思いつつ、しつこく追いかけてくるシズちゃんから逃げる。


「まちやがれ臨也ぁ!!」

「待たないってば」


まぁ、このまま逃げててもつまらないし。
仕方ないから、路地裏まで彼を誘い込むように逃げる。
俺の後ろには壁、前にはシズちゃんが佇んでいて。
追い詰めた、といった表情で俺を見るシズちゃんは、片手に標識をもったままで。
しつこいなぁ、と思いながらも、そういう俺も飽きないよなぁ、なんて。


「シズちゃんさぁ…、なんでそんなに俺を追いかけてくるの?」

「てめーが気にいらねぇからだ」

「ふーん…?俺は結構気に入ってるんだけどなぁ、シズちゃんのこと。」


にこり、と効果音がつきそうな笑顔で言うと、シズちゃんは吃驚した顔をする。
でもその表情はすぐに嫌悪の色に変わって。


「ふっざけんな。毎回毎回俺の前に現れやがって。嫌がらせとしかいいようがねーだろ」

「ひどいなぁ、シズちゃんは。俺はただ君に会いに来てるだけなのに。」

「そんな嘘が通じるかよ、臨也くんよぉおお!!」


そういって持っていた標識を投げてくるシズちゃん。
それを避けつつ、隙をみてシズちゃんの懐に入り込んだ。


「っ!!?」

「ほんとのことなのに。なんで信じてくれないかな、シズちゃんは。」


懐に入り込んで、抱き着きシズちゃんの背中に腕をまわす。
上を向くと驚愕したシズちゃんの顔があって。
いきなり嫌いなやつに、しかも男に抱きつかれて驚かない人はいないよなぁ、なんて考えながらも、離れる気は更々ない。
それどころか、年下の彼のが俺より身長が高いなんて悔しい、なんて考えている。

なんでこんな伸びてんのさ、シズちゃんのくせに。
たぶんこれからも伸びるかもしれないなぁ…、生意気だなぁ。
そんなことを心の中で愚痴っていると、シズちゃんが俺を離そうと肩を押してくる。
でも、意地でも離さないつもりの俺は必死に腕に力を込める。


「…っ、なんのつもりだ」

「なんのって、なんも?ただ俺がシズちゃんに抱きつきたいだけだよ。」

「意味わかんねーんだよ、離せ!」

「嫌だよ。」

「てめぇ…、いい加減に…っ」


いい加減にしろ、とでも言いたかったのだろう、その言葉を飲み込むようにシズちゃんの唇に自分のそれを重ねる。
こんどこそ本当に目を見開いて困惑した表情なシズちゃんに、にやり、と笑みを浮かべて離れる。


「好きだよ、シズちゃん。」



街で出会った一人の少年。
何度も会っているうちに、俺は彼に恋をしていた。
なぜだか、どうしようもないくらい彼に惹かれていたんだ。




捕われた少年
(逃げ道なんてない。)



−−−−−−−−−−−−
年下×年上好きすぎて書いてしまった…
いや、高校生シズちゃん×臨也の妄想がたのしすぎて勢いで書いてしまったんだ…!!
すみません…!
ちなみにシズちゃん17歳という裏設定。
でもいつもの二人とあんま変わりない気が…←
てかこれシズイザじゃなくてイザシズ、になったかも…
シズイザジズってことですよね!
続き、書きたいな…
次はシズちゃん視点とか、ね!
妄想とまりません(^O^)/

100926
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