ヴァンバーガーショップ!01


※バーガーショップパロ





「い、いらっしゃいませ…!」


この場所で働くようになって一週間、ようやく接客に慣れてきたアイチは精一杯声をあげて接客をする。その姿に他の従業員も客も和んでしまう。


「お客様、ご注文は?」
「チーズバーガーひとつ」


そんな風景を眺めつつ従業員の一人であるミサキは注文された品を作っていく。そして出来上がったものを袋に包む。
それをアイチに渡すとミサキはまた、別の注文を聞いて作業に入る。
レジ打ちにはまだ慣れずにいるアイチは商品を渡しながら会計を済ませる。


「ありがとうございました!」
「アイチくーん、僕にもスマイルください」
「れっ、レンさん!?外で仕事してたんじゃ…!」


笑顔で客を見送ると、突然外でクーポンを配っていたはずのレンに抱きつかれた。レンはアイチと同じアルバイトで何かと仲良くしていた。


「だって寂しいですもん」
「レン、あんたいい加減真面目に仕事してくれないとクビにするよ!」


また始まった…とアイチと常連の客は内心ため息をついた。初めて来た客は呆然と見ている。そんな中、別にどうでもいいという表情でハンバーガー2つ、と注文する客に驚きつつアイチはかしこまりました、と注文をとる。なんとかミサキを押さえて注文を伝えると渋々仕事に戻った。
ようやく解放されたレンが再びアイチの元に戻るとそこであ、と少し不満そうな声をあげた。


「なんで櫂がここにいるんですか」
「別にいいだろう。三和に頼まれただけだ」
「レンさんの知り合い…?」


意外そうに訊ねるアイチにレンと櫂と呼ばれた青年が同時に腐れ縁、と口にする。
仲が良いんだなぁとアイチは櫂を見上げる。レンと知り合いというのなら、まずアイチより年上だ。それにまるでモデルのような体型で、レンもよく女子に好かれるが櫂もきっとそうなんだろうとアイチは思った。栗色の髪、翡翠色の瞳は不機嫌そうに鋭くなっていたがアイチはそんな瞳が綺麗だと感じ見とれていた。


「もしかしてお前が先導アイチか?」
「ふぇっ?あっ、はい!…ってなんで僕の名前…?」


急に名前を呼ばれ、アイチが意識を浮上させるとそうか、と櫂は小さく呟いた。


「よくレンから話を聞く」
「えっ!?レンさん!?」
「アイチくん面白いんですからつい…」
「うわわわわ…」


自分のことを話されていると聞いて顔を赤くするアイチ。自分は一体どういう風に話されているのだろうかと考えてるアイチを見て櫂はレンに言った。


「確かにお前が言っていた通りに可愛いな」
「でしょう?でもだからと言って渡しませんよ」
「臨むところだ」


頭にはてなマークを浮かべ二人の話していることに首を傾げるアイチ。まだまだアイチのことについてその場で語ろうとしているレンとそれを聞こうとしていた櫂の二人は作ったハンバーガーを持ってきたミサキにアイチに何かしたら許さないよとの言葉とともに蹴りを食らうのだった。







ヴァンバーガーショップ!







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なんか最初書こうとしてたものと違う…!
でもまあみんなでわいわいしてるのが書けて楽しかったです。
続くかもしれない


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