永久のクレオメ03


仕事が終わり、部屋に戻っていると途中で三和さんと会った。三和さんもちょうどやることにキリがついた為、一旦休憩しようと部屋に戻るところだったらしい。なので部屋まで一緒に行くことになった。
三和さんは何か考え事があるらしく、うーん…と考え込んでいた。そこで突然ひらめいたような素振りを見せると、ぐるりと僕の方を見て言った。


「アイチにさ、頼みたい仕事があるんだけど、聞いてくれるか?」
「僕に出来ることならなんでも…!」
「よし!あのな、あいつにお茶を持って行ってくれないか?」
「えっ」


櫂様に…!?ということは部屋に入る…ということだよね…ええぇ!そんな…!
いろんな思いが渦巻いて、混乱してしばらく黙っていると、三和さんがだめか?と聞いてくるので僕はぶんぶんと首を横に振りながら尋ねた。


「ぼ…僕にそんな仕事…いいんですか?」


主人に直接接触する仕事は信頼がないと到底出来ないこと。それをいいのかと問うと三和さんはお前は信頼出来るって俺が判断したから良いと言ってくれた。
僕はありがとうございますと言って何度も頭を下げた。
そんな僕を見て三和さんは慌てて言った。


「わ!そんなにいいって!」
「でっでも、嬉しくて…!…あ、そういえばどうして急にそんな話を?」
「あぁ、実はさー、その担当だった奴が怪我しちまってよ、それで代わりを誰にするかって話をしてたんだ。」


そうなんですか、と答えると三和さんはそいつの怪我が治るまでの一ヶ月間櫂様へお茶を持っていく仕事を頼んでいいか、と聞かれたので僕は勢いよく返事した。


「是非お願いします!」
「そっか、良かった。ほんとは俺とかがやれれば良いんだけど生憎他の仕事があってさ…。でもアイチがやってくれるって言ってくれて助かったよ」
「いえ…!一ヶ月間頑張ります!!」


こんなに早く櫂様と再会出来るようになるとは思わなかった。嬉しくて笑顔になる。
もう一度三和さんにお礼を言うと、今日からよろしくな、と言われたところで休憩室に辿り着いた。ミサキさんが淹れてくれているであろうそれはまだ扉を開けていないのに僅かにレモンの香りが漂っている。
今日はレモンティーのようだ。


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