永久のクレオメ01


僕はこの家、国有数のお金持ちである"櫂家"に仕える新人の召使いだ。なので今は先輩の人にいろいろ教わっている。
とてもよく面倒をみてくれるのはメイドのミサキさんと、ここの主人である櫂トシキ様の親友であり、側近の三和さん。新人である僕に分からないことを親切に教えてくれたり、相談に乗ってくれたりして、とても感謝している。


「アイチはどうしてここで働こうと思ったの?」
「え、えっと…」


ミサキさんの問いに口ごもって、少し迷いながら話を切り出すのを三和さんも興味深そうに見てくる。


「前に…櫂様に助けていただいたことがあって…そのご恩を返したくて」
「へー櫂のやつがなー」
「人助けするような人間には見えないんだけど」


とても自分の主人には言わないようなことを言う二人に苦笑する。
確かに前に会った彼は今とは正反対の性格だった。本当にあのときの彼かと驚いたけれど、間違いなかった。


「まぁ、あいつも昔は優しかったし、そんなことあったんじゃないか?」
「ふーん。あたしが入ったのは三年前で、そのとき既にあの性格だったからそれより以前は知らなかったな」


二人は微妙な顔をしながらも納得した様子で、話は別の話題へと移った。

それから暫く話しているうちに、仕事を始める時間が近づいてきた為に、二人と別れ、それぞれの場所へと行き、今日も一日がスタートした。


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