09内緒話(京天+信介
「信介!ちょっといい?」
「なに天馬?」
「実はね…」
部活中、松風はずっと西園と何かをコソコソと話している
何を話とているのかと聞いても何でもないよ!と何故か逃げられてしまう
聞かれたくない内容なんだろうかと色々と考えてみたがあまり詮索しない方がいいのだろうと思い自分の練習に戻った
「あ、剣城…お、お疲れ」
「あぁ…」
部活も終わり部室へ戻ろうとした時に声をかけられたと思えばそそくさと走りだしてしまった
「なんなんだ…」
「剣城、剣城」
下の方から声がするので見下ろすと西園が呼んでいた
「なんだ?」
「今日、僕と天馬が話してた内容気になる?」
「…別に」
「うっそだぁ、絶対気になってる」
「うるせぇなっ」
「まぁ、次期にわかると思うけどね-
あ!狩屋、輝、帰りに何か食べていかない-?」
意味深な台詞を残し西園は狩屋たちの元へ走って行った
アイツ完全に俺をからかって楽しんでやがる
「………帰るか」
誰も居なくなったグランドにぽつりと呟いた言葉は消えていった
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いつものように松風と帰ろうと思っていたのだが俺が部室に入るのと入れ違いで松風は西園達と帰ってしまった
キャプテンや霧野センパイからは喧嘩でもしたのかと聞かれたが心当たりが全くない…
一人で帰るなんていつぶりだろうか気付けばいつも松風が隣にいて
それがあまりにも当たり前の日常になっていた
「……寒っ」
この時間はこんなにも寒かっただろうか?
気温は普段とそう変わらないハズなのに何故かとても寒く感じられた
あぁ、きっとアイツがいないからだ
まったくどんだけアイツの…松風のことが好きなのだろうかと自嘲気味に笑った
すると誰かに呼ばれた気がして足を止めた
「……気のせいか?」
「つーるぎっ!!!」
「ま、松風!?」
ドカッ!!という音と共に松風が抱きついてきた為バランスを崩し倒れそうになった
「あ、あぶねぇだろっ!!!」
「ご、ごめ…」
慌てて離れようとする松風の顔がとても切なそうで胸が締め付けられとっさに松風の腕を掴み抱きしめなおした。
一瞬驚いた松風だったが嬉しかったのかきゅっと抱きしめ返してくれた。
「なぁ、今日 西園となに話してたんだ?」
「あ…えっとね…これ」
そう言われて差し出された袋
よく見るとプレゼント用の包装が施されていた。
「剣城がそろそろ新しいタオルが欲しいって言ってたから
信助に買い物付き合ってもらったんだ…だから」
「コソコソと内緒話をして先に帰ったと?」
「う、…ごめんね?」
「別に…それより渡すなら明日でもよかったんじゃないか?」
「それは、…早く渡したかったから…迷惑だった?」
「いや、ありがとな天馬
嬉しいよ」
「う、うん///」
さっきまでの寒さが嘘のように今はとても暖かい
松風
なに?
もう内緒話とかするなよ
え?なんで?
………
なんで黙るんだよ!?
っいいからするな!
もおー意味わかんないよぉー
好きなやつが小さな同級生とした内緒話に嫉妬したなんて言えるわけがないー