0.7はちみつ(京天)
松風が風邪を引いた
馬鹿は何とかっていうがあれは嘘だな
秋さんは用事があり留守にしているため俺が看病をする事になった。
まぁ、心配だからちょうどよかった…
「う〜…
喉、痛い…」
「だったら喋るな」
「ひど、い」
いつもの可愛い声は鼻声でハスキーになっていた
「いいから黙って寝てろ
なんか温かい飲み物、持ってくるから」
「ありが、と、つるぎ」
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さてと、なにを作ろうか悩んでいると
目の前にはちみつのビンがあった
「はちみつレモン…」
昔、俺が風邪を引いたときに兄さんが作ってくれた
はちみつレモンを思い出した。
「確か、お湯にはちみつを溶かして
レモンを…」
10分ほどで完成したはちみつレモンを部屋まで運び
松風に声をかけた
「起きれるか?」
「ん…」
「ほら、熱いからゆっくり飲め」
「ふーふー…ん、美味しい
つるぎ、ありがと!」
「別に…
飲んだら寝ろよ」
「はぁい」
「松風」
「?」
松風の頭を優しく撫でて
まだ少し熱の残るおでこにキスをした
「つる、ぎ…」
「早く治してサッカーやろうな」
「うん!」
室内にほんのり漂う甘いはちみつの香りが
懐かしくてくすぐったかった―