0.6視線(マサ→蘭)

気付けばいつも先輩を目で追いかけてて
自分でも末期だな、なんて思い始めた


「霧野先輩」

「どうした狩屋」

「……」

「狩屋?」

「やっぱ俺、先輩のことキライです」

「…あっそ」

嘘・・・
好きです・・・
だけど貴方の視線はいつも神童キャプテンを向いてて
俺なんか貴方の視界にすら留めてくれない…
今だってすぐに視線を反らすし傷つくなぁ

「先輩」

「今度はなんだ…」

「…なんでもないです
お疲れ様でした」

いつまでも先輩の近くにいたら自分が可笑しく
なりそうだったから
逃げるようにその場を離れようとしたら先輩の声が聞こえた

「狩屋!」

「?」

「また明日な!」

「っ!?」

あぁ、嘘みたい
先輩が俺に笑顔を向けてる…
先輩の視界に俺を留めてくれてる…

「また…明日」

やっべ…泣きそう…
そんなみっともない姿見せれるわけがないから
走って帰った…

大好き、先輩
絶対に先輩の視線を俺だけのものにしてやる―
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