0.5不意打(浜速)

「はーやーみっ!」

「・・・なんですか?」

「メシ喰おう!腹減った!」

「俺、今日は学食なんですけど」

「じゃ、俺も食堂で食う」


そんな会話をしたのが20分前―
食堂の生徒もまばらになりだした

「あぁ〜
午後の授業って数学だっけ…」

「確か、小テストでしたよね」

「げッ…」

「まぁ、復習みたいなものですから
簡単ですよ」

「無理!無理!」

なにが無理なんだろうか?
授業をちゃんと聞いていれば理解できない内容ではないのに…

「俺、数学の時間ほぼ寝てるし…」

「…浜野くんらしいですね」

「だろ!」

「胸を張って言う事じゃないですよ」

「あ〜
また寝て過ごすなぁ〜…」

「それじゃ点数ないじゃないですか」

「だって、今更やったってわかんねぇし」

確かに数十分で叩き込んだ知識なんて
ほとんど役には立たない

「そろそろ中間テストなんですら
ちゃんと授業、聞いてくださいね」

「ん〜…」


あぁ、もう人の話を聞かないのは相変わらずだ…
呆れてテーブルを眺めていると声をかけられた

「速水、速水!」

「はい?」

ふにゅ―

…?
なに、何か柔らかい物が頬に…

「へへへ〜」

「〜〜〜〜〜〜っ」

キスされた
しかも食堂で…
生徒が少なくなっているとはいえこの人は
公共の場でなにをしてくれてるんだ…!

「浜野くんッ!」

「な、なんだよ?
怖い顔すんなよ…」

「もう!キライです!!」

「え!!?
ちょっ速水!!!?」

浜野くんを食堂に残しダッシュでこの場を逃げ出した。
途中、倉間くんに声をかけられたような気もしたけど
無視して走っていた…


不意打ちすぎて心臓がうるさい…

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