04.おはよう(京天)

ピピピ―


無機物な機械音が耳元で響きうっすらと頭が覚醒しだした


「ん……」

冴えきらない頭の中で今からの行動をどうしようか考え布団の中に潜りこんだら睡魔が襲いかかってきたので慌てて起き上がった

「―っ
さむ……」

部屋の中だと言うのに息は白く身震いするほど寒く布団から出るきにはなれなかった


「……朝練」

ぽつりと呟いたはずのその言葉は冷たい部屋ではやけに響いて聞こえた
朝練の時間を確認しようと携帯に手を伸ばすと
サイレント設定の携帯からランプだけがチカチカと点滅し着信を告げていたていた。

こんな朝早くに誰だ…
名前もろくに確認しないまま通話ボタンを押した

「はぃ…」

『あ!剣城?』

まつ、かぜ……?

「………なんだこんな時間に」

予想外の人物の声に寝ぼけていた頭は一気に覚醒した
そして更に意外な言葉が俺の頭に入ってきた

『あ、あのさ
今日一緒に学校、行かない?』

「急だな…」

『む、無理ならいいよ!
ごめん……』

だんだん声が小さくなり
しゅんとしたあいつの顔が浮かんだ

「別に無理とか言ってねぇだろ」

『ほ、本当!』

「あぁ…
今から準備するから待ってろ」

『えっ、迎えにく来てくれるの?』

「嫌なのか?」

『嫌じゃないけど
反対方向なのに悪いから
途中で待ち合わせよう?』

「…いや
7時過ぎにそっちに着くようにするから待ってろ」

『う、うん!ありがとう!
あ、剣城!』

「何だ、まだなにか…」

『おはよう!
じゃまた後でね』

プツ―ツーツーツー

「っ…」

おはよう…って
不意討ち過ぎて身体がぽかぽかしてきた
早く…早く松風に会いたい

会って言おう

「おはよう」と―

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