ふたりぼっち


夕日に照らされ伸びる二人分の影
それを眺めながら歩く
隣にいるのは仲の良い友人…じゃなくて最近、やっと恋人になれた大好きな人

だけど友人だった時と対して何かが大きく変わってはいない
いつものように学校で会い昼休みを過ごし部活をして帰宅する

浜野くんは俺に特別な想いを持ってはなかったのだろうか?

ぐるぐる考え出したら気分が悪くなってきた

「でさー…
速水?」

「ぁ…すみません、何でしたっけ…?」

「速水、顔色悪い
気分でも悪くなった?」

「へ、平気ですよこれくらい…」

「んー…
公園行こ!少し休憩!」

「え!?本当に平気ですから…ちょっと浜野くんッ!」

俺の言葉なんか聞いてくれない浜野くんは無理矢理、俺の腕を掴み近くの公園に向かった

「速水、ここ座って」

「無理矢理、座らせてるじゃないですか…
本当に平気だって言ってるのに…」

「ちゅーか
そう言ってこの前、部活中にぶっ倒れたのはどこの誰だよ」

「ゔっ…」

それは記憶に新しい出来事
朝から体調が優れず更に日差しが強い日の部活中に倒れたのだ

「だから気分が悪くなったらちゃんと言えよ、速水」

「すみません…」

「謝らなくていいから心配させんなって…」

「え…っ」

「あ、たりまえだろ
好きな奴が体調悪いのにそんままとかぜってー嫌じゃん…」

ほんの少し赤く染まった頬を膨らせて
そっぽを向いてしまった

なんだ…俺、ちゃんと想われていたんだ
嬉しい…


「浜野…くん」

「んー?」

「もう平気ですから
帰りましょう?」

「本当か?」

「本当です
ありがとうございました浜野くん」

にこっと笑って俺の手を握ってくれる優しい君が大好きです

またこの公園で君とふたりぼっちで過ごしたい―




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