依存


暗い自室のベッドの隅で体育座りをしているのが一番落ち着く
だから今日もそうやって寝るまでの時間を過ごしていた
すると携帯の液晶画面が光った
除き見ると大好きな彼の名前が浮かび上がっていた


― 浜野君 ―


「…もしもし?」

『ぁ!速水?』

「なんですか…?」

『んー
なんか速水が落ち込んでそうな気がしたからさ』

「そんなわけ…なぃ…」

あれ…?
可笑しいな声が…っていうか呼吸が…できな―


『速水?』

「ぁッ…ハッ…ウグッ……ァ…」

『速水ッ!?
どうしたんだよ!?』

「だッ…ぃじょ…ハッ…ァッ」

全然、大丈夫なんかじゃない
どうしてこんな両親がいないときに過呼吸なんかに…
苦しい…

『ちょっ、ちょっと待ってろ!!
今すぐそっちいくから!!』

「こッな…く…ぃ…」

―ツーツー ―

来なくていいです…
お願いですから来ないで下さい浜野くん…―


ドタドタッ―

あぁどのくらい時間が経ったのだろうか?
やけに部屋の外が騒がしいなと、酸素がうまく取り込めず意識は朦朧としていた
すると物凄い勢いで自室のドアが開けられ霞む視界に人影が見えた

「速水!!?」

「…ハッ…ァは、ま…のッ…くん?」

「やっぱり過呼吸か…
紙袋、持ってきたからゆっくり深呼吸な」

浜野くんに身体を支えてもらって
紙袋を使いゆっくり深呼吸をして少しずつ正常の呼吸が出来るようになってきた

「速水落ち着いたか?」

「はぃ…ありがとうございます…
それとごめんなさい…」

「なんで謝るのさ?」

「だって、こんな時間に…」

部屋にある時計をみると0時を指していた

「別に
速水の辛そうな声聞いたらじっとなんかしてらんねーし」

「でも…」

「また迷惑がかかるとか考えてるだろー」

「だって」

「でも、もだって、もなし!
大好きな奴を心配するのは当たり前だろ
速水、もうちょい俺のこと頼れって」

「ごめんなさい…」

「だから謝るなって…」

「はぃ…」

「速水、不安になったり怖くなったら連絡して
どんなに深夜でも速水の所にくるからさ」

「はぃ…」

浜野くんに抱きしめられ大好きと囁かれくすぐったくて暖かくてふわふわする

「今日はこのまま泊まるから
ゆっくり寝て明日は出かけような」

「は…ぃ…」

寂しくて怖くて…だけど浜野くんがそばに居てくれるからそれに甘えて溺れて依存していく

「浜野くん…
ずっと…ずっと俺のそばに居てください」

「おぅ」

約束してください
もう俺は君なしでは生きていけない


君は俺にとっての麻薬です―




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