特別


俺の前の席に座っているのは
俺が大好きな奴

足が速くてめっちゃ細くて
ネガティブで同級生に対しても敬語で…

「―のくん…浜野君!」

「あ…速水?」

「さっきから呼んでるんですけど…」

「あぁ、悪い悪い
ちょっと考えごとしてたわー」

「浜野君でも考えごとってあるんですね
意外でした」

「ちょっ
それどーゆう意味!!?」

「そのままの意味ですけど…
ってこんなこと話すために君に声をかけたんじゃありません
今日は用事があるので部活を休みますから
一緒に部活は行けないです」

「……そっか」

「神童君にも言ってありますから
じゃあ、また明日」

「速水!」

「なんです…」

振り向こうとしたら
後ろから浜野が抱きついて振り向けなかった

「なっ!?
ど、どうしたんですか浜野君!?」

「んー
わざわざ休むから部活一緒に行けないって言ってくれたから
なんか俺だけ特別な感じした」

「……そりゃぁ
浜野君は特別ですから…」


だんだん声の小さくなる速水は
きっと顔も真っ赤なのだろうとニヤニヤしながら速水に抱きつく浜野

恥ずかしくて早く教室から出たい速水だが
誰もいない教室で浜野と二人きりなのが本当は嬉しかったりする

「明日は一緒に部活いこーな」
「…はぃ」


お前が俺を特別だと思うように
俺もお前が特別なんだ―




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