夕暮れの放課後


少し肌寒い風が教室を通りすぎ下校の時間になっていた
部活も休みで何となく残っていたが既に教室には俺しかいない

帰るのがめんどうで机に頭を預け窓側の壁を眺めていると廊下の方から誰かが走って来る音が聞こえてきたかと思えば教室のドアが開く音が響いた


「剣城ー!…
あれ寝てる?」

声を聞けば誰かなんて直ぐにわかった
松風だ―

俺が寝てると思っているようなのでそのまま帰れと心の中で呟いた

「剣城?」

気のせいか松風の声がすぐ近くで聞こえる


こいつなんで近づいて来てるんだよ…
あぁ、このまま寝たふりでもしてやり過ごそうと決めた瞬間に頭の方に違和感を覚えた
どうやら松風が俺の髪を引っ張り起こそうとしているようだ
つか、引っ張るな地味に痛い

「つーるぎ、起きてよ帰ろう?」

「………」

「剣城…」

このまま寝たふりをすれば諦めて帰るのだろうか?
それとも俺が起きるまで待つつもりか?

そんなことをぐるぐる考えていたら松風が俺の前の席に座る音が聞こえた

「うぅ…起きない」

未だに髪を引っ張ったり身体を揺すったりしてくる松風だったがだんだんそれもしてこなくなった
そろそろ諦めたかと思った瞬間頬に暖かくて柔らかい何かが触れたまさかこいつ…

なに可愛いことしてくれてんだよと思い顔を上げた

「おい」

「ッ!!!!?」

意外にも松風の顔が近く目線を反らしてしまった

「つ、剣城
起きてたの!?」

「あぁ…」

「ひど……ぃ」

どんどん声の小さくなる松風はついさっき自分がとった行動を思い出したのか顔と耳を真っ赤にさせうつむいてしまった

「松風」

「な、なに!?」

「今、何した?」

「えっ…ぁ、…その…」

ニヤつきながら聞くと
うつむきころころと表情が変わる松風を見てるともっと困らせたくなる
すっ、と松風に手を伸ばし顔をこちらに向けさせる

「な、な…に」

「仕返し」

「へ………」

自分にだけされたのでは気がすまない
口に触れるだけのキスをすれば松風はどんどん赤くなり慌てだした

「つ、剣城…」

「ふん
ほら、さっさと帰るぞ」

「意地悪…!」

ばかッ!と叫んで教室を出ていく松風の後をついていく


内心では悪態をついても可愛くて仕方がない
明日はどうやってあいつを困らせようかそんなことを考える夕暮れの放課後―

----------キリトリ-----------

いずみ様、遅くなったわりにこんな仕上がりでだらだらと長くて申し訳御座いません……

ほのぼのとうか意味の解らないものになってしまいすみません…(汗)

宜しければお持ち帰り下さいぃ;;;



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