京天←雨
優一さん出てきます。
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もうすぐホワイトデ―…そうヴァレンタインへのお返しをする日である
が、ホワイトデーを三日後に控えた今、俺は悩んでいる

恋人である松風へのお返しをどうしようと未だに悩んでいるのだ…


「…ここは兄さんに相談…いや、でも」

ぐるぐると考えすぎて気分が悪くなってきたのでもうここは兄さんに頼るしかないと判断した俺は病院へと足を向けた


ガラガラ―

「京介?日曜なのに来てくれたのか?」

「あ、あぁ…ちょっと相談が」

「あ、もしかしてホワイトデーのことかな?」

「!!?」

何事にも鋭い兄には勝てないと改めて実感した瞬間であった。

「そ、そのホワイトデーに何をあげればいいのか分からなくて」

「う〜ん、そうだね一般的にはマシュマロとかキャンディー…とかが主流かな?
まぁ、でも別に食べ物じゃなくてもいいと思うよ、形ある物の方がよかったりするんじゃないかな?」

「・・・・」

「相手が喜びそうな物がわからないって顔してるね?」

ふふ、と微笑む兄を見て少し複雑な気持になった
そう・・・松風に何をあげればアイツは喜んでくれるのかわからなくて困っているのだ
兄さんに相談したら何かヒントを得ることが出来るのではと思ったがますますわからなくなってしまった

「別に深く考えなくていいんじゃないかな?」

「え?」

「正直、俺は贈り物なんて何でもいいと思う
相手が一生懸命選んでくれたものだからそれがどんな物でも貰った相手は喜んでくれると思うけど?
京介もそうじゃないのか?」

「あ・・・」

確かにそうだ…
松風からのヴァレンタインも市販物、最悪はチロルチョコでもいいと思っていたが
まさか手作りでチョコをくれるとは予想外にも程があった

「兄さん・・・」

「ん?」

「ありがとう、また来るよ」

「あぁ、
あ!そうだ京介ホワイトデーの日に天馬くんを連れてきてくれないかな?
秋さんからもらったクッキーのお返しを渡したいんだ」

「…ん、わかった」

兄の頼みを聞き入れ俺は病院をでて自宅に向かった。


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ホワイトデー当日の学校は一ヶ月前のヴァレンタインを思わせるようなソワソワとした雰囲気でなく
女子は男子に対して義理でもあげたんだからお返しをよこせと恐喝まがいの事があちこちで繰り広げられていた…

それは放課後になることにはなくなっていたが俺にとってはこれからが本番なのだ…
幸い、今日は部活もなく早々に帰宅することができいつものように松風と帰路についていた

「松風」

「なぁに?」

「これ…」

「??」

松風は俺がもつラッピングされた小さな袋をじぃっと見つめてきた
その視線に耐えられなくなり俺は言葉を発した

「その…ヴァレンタインのお返しだ」

「え?
ほ、本当に!!?」

「なんだよその反応…」

「いや、剣城は用意してないと思ってたから…
嬉しくて・・・ありがとう!」

とても嬉しそな笑顔を俺に向けている松風を愛しいと素直に思えた。

「別に…」

「ふふ、あけてもいい?」

「あぁ」

しゅるっとリボンを解く音がしてガサリと袋に手を突っ込む松風
はたしてその中身を喜んでくれるのだろうか不安を秘めた瞳で見つめた

「わぁ!!ありがとう剣城!!」

「あ、あぁ…」

あ、喜んでくれている・・・よかった・・・
松風の反応に安心した俺は松風を兄さんのお見舞いに誘い病院へと歩いていった


「優一さんこんにちはー」

「天馬くんいらっしゃい
なんだか嬉しそうだね?」

「そ、そうですか…?」

「ふふ、京介悪いんだけど飲み物買ってきてくれないかな?」

「あ、じゃぁ俺も」

「いい、一人で行けるから」

「うん、」

「行ってらっしゃい」

ガラガラ―

剣城は飲み物を買うべく病室を出て
病室に天馬と優一の二人が残された。



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