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そろそろ昼休みを伝える鐘がなろうとしている
どこか早く終わった教室からガヤガヤと人の騒ぐ音が耳に入ってくると
こちらの教室の生徒達も騒ぎだしたので教師がこちらも早く切り上げてくれた

誰かと昼食をとるわけでもない俺は教科書類を片付けると机に突っ伏していた

「…………」

〜♪

昼休みの鐘がなる
先程以上の人が騒ぐ音が聞こえてくる
そんな中、大きな声で俺を呼ぶ声が聞こえた

「剣城っ!!」

「……うるせっ」

声を聞けば誰でも分かる
明るく元気が満ち溢れた松風の声

俺は内心で喜んでいたがそんな感情、表に出せるわけもなく
誰にも聞こえない小さな声で松風に悪態をつく
そんなことなどわからない松風と一緒にきていた西園が教室に入ってきた

「お弁当、食べよう!!」

「勝手に食いに行け」

面倒で突っ伏したまま松風と西園の誘いを断ったが
えーだの食べようよーなどと
駄々をこねだした
あぁ…可愛いなんて口が裂けても言えなかった

「ねぇ、剣城
行こうよ?」

しゅんとした声の聞こえる方に視線だけ送ると
落ち込んだ松風の顔が見えた
やめろ、そんな目で俺を見るな…
いたたまれなくなり視線を反らし
別に俺がいなくても西園がいるそこまでしつこく誘う必要もないだろうと頭中でぐるぐる考えていると
西園が松風の制服の裾を引くのが見えた

「天馬、行こう
剣城イヤみたいだし早くしないとお昼休み終わっちゃうよ」

「ぅ…うん
じゃあ、放課後またくるね!」

慌ただしく去っていく松風と西園

少し冷たくし過ぎたかと後悔もしたが
静かになったことでり俺は飯も食わずにそのまま眠りに落ちてしまった


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