彼岸花が咲く頃


秋風が心地好い季節
ちらほらと彼岸花が咲いているのを見かけ本格的な秋の訪れを告げている。


「ねぇ、見て剣城
もう、彼岸花が咲いてるよ!」

無邪気に笑い彼岸花に近付く天馬
すると剣城が声をかけた

「なぁ、知ってるか?
彼岸花には毒があるって」

「……うん知ってるよ」

彼岸花に向けていた足をとめ剣城の方を見る天馬の瞳が曇っていた。
そしてすぐに視線は彼岸花に戻され手を伸ばした

「おぃ!
知ってるなら摘むなよ!」

「二人でさ…」

「は?」

「二人で彼岸花に埋もれてさ…
ずっと一緒に…」

摘んだ彼岸花を剣城に差し出し曇った瞳で淡々と語っている天馬
不安そうな天馬の頬に優しく触れ逃げられぬよう腕を掴んだ剣城
驚いた天馬は剣城と目があった

「…あぁ
ずっと一緒にいてやるよ」

「ッ!!?」

あまりにも真っ直ぐで迷いのない鋭い視線で言われたものだから
天馬は固まってしまった…

「一緒にいてやる
お前が嫌だって言ってもずっと一緒にいてやるよ」

そう言うと剣城は天馬の手から彼岸花を奪い取り天馬を抱きしめた…

「つ、剣城…」

「こんな花に埋もれなくても
死ぬまで一緒にいてやる…」

「…絶対だよ?」

「あぁ…」

その言葉、忘れないで剣城
ずっと一緒にいて俺の大好きな人…


---------キリトリ-----------
彼岸花
(別名:曼珠沙華、地獄花、幽霊花、等々
全草有毒で、誤食した場合は吐き気や下痢、ひどい場合には中枢神経の麻痺を起こして死にいたります。
なので綺麗な花ですがむやみに摘んだりしないようにしましょう)

end
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