今日が


「っくしゅ!」

随分と可愛らしいくしゃみが聞こえたと思ったら松風が鼻を啜っていた

「どうした?」

「うーんなんだろう?
最近、くしゃみが止まらなくて後、目も痒いんだよね―」

本当になんだろなぁと考え込む松風をみてこの季節にくしゃみが止まらなくてしかも目が痒くなる症状といたらあれしかない

「もしかして花粉症か?」

「え?花粉症?
うそぉ俺、今まで花粉症なんて・・・くしゅんっ!」

「じゃぁ今年、花粉症になったんだな」

「えぇー!花粉症ってどうすればいいの!?」

そんなことを聞かれても俺は花粉症患者ではないからどうすればいいかなんて知らない

「病院に行けばいいんじゃないのか?」

あ、そっかぁいつ行こうかなぁと間抜けな返事が返ってきたので苦笑いを零した

「はぁーまさか花粉症だなんて
ちょっとショックだなぁ…あぁ、また鼻水…うぅ目も痒いー!!」

鼻を啜り目を擦りだす松風をみて俺は松風の手首を掴み擦るのをやめさせた

「おい、擦るな酷くなるだけだぞ」

「だって痒いー」

「子供か、少しは我慢しろ」
「まだ子供だよー」

「わかったから明日からマスクして花粉症用の目薬持って来い
あとティッシュな」

「…なんか剣城、お母さんみたい」

「・・・・・・・」

「いたっ!!!!」

母親発言に多少ムカついたので松風にデコピンを食らわせると額を押さえこちらを睨んできたが
今の松風はほんのり目元と鼻が赤く涙目なので全く怖くはないむしろ可愛い

「剣城、酷い!」

「はいはい、悪かったな…」

「絶対、悪いなんて思ってない!」

「いいから朝練に行くぞ」

「うぅー…くしゅんッ!
あぁ!もう鼻水!!」

いやいや、鼻水にキレるなよ
キレるなら花粉にだろと、どうでもいいツッコミを心の中でして
そういえばポケットティッシュがあったことを思い出し二枚ほど取り出して松風の鼻元に持っていき
垂れた鼻水をふき取ってやった

「…本当に剣城お母さんみたい」

「…もう一回、食らうか?」

デコピンの構えをすればきゃーと棒読みで逃げ出した松風を追いかけた―



今日が君の花粉症デビュー

end


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