彼の温もり


「―ぎ、剣城!」

「………」

あぁ、いい気持ちで寝ていたのに
何でこいつは可愛い顔をして俺の安眠の邪魔してくるんだろうか…

「なんだよ…」

「お昼休み終わるよ?」

「だから…?」

「え…だから授業が始まるから教室に」

「……眠いからサボる」

「またそんなこと言う!」

隣でぐいぐいと制服の裾を引っ張り教室に戻ろう!と言ってくる松風が可愛くてからかいたくなった

「…いいぜ、戻っても」

「本当!」

「あぁ、
ただし条件がある」

「え…?」

松風をぐいと引き寄せ耳元で囁いた


―お前からキスしてくれたら戻ってやるよ―


「〜〜〜〜ッ」

耳まで真っ赤になった松風は口をパクパクとさせ言葉になっていない声を発していた

「どうする?
嫌なら俺はここに残る」

「う〜……」

困った顔で目があっちへこっちへ見ていて飽きないが少々からかいすぎたか…?

「悪い、じょう…」

冗談だ…そう言おうとしたが唇に触れる柔らかなそれに邪魔され言葉は出なかった

松風からキスをされた「っ…こ、これでいいでしょ!
ほら教室に戻ろう…」

恥ずかしくて仕方がないのだろう
どんどん声が小さくなりさっきよりも真っ赤になっていく松風に愛しさが生まれた。

「つるぎ…行こう?」

「悪い、やっぱりサボる」

松風が逃げられぬようにぎゅぅーっと抱きつけばわたわたと暴れ出した

「ちょっ、ちょっと!!
動けないよっ
剣城、離してこれじゃ俺までサボり…」

「一緒にサボれ」

「うぅ……
じゃ、じゃぁちゃんと勉強教えてくれる…?」

「あぁ…わかっ、た…」


松風の柔らかい癖っ毛にすりより愛しい彼の温もりを感じながら俺は夢の中へ落ちた―
end


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