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「葵と作ったから味は大丈夫だと思うんだけ…」
天馬の自信なさげな言葉と共に二人は長椅子に座り直し剣城は受け取った箱の飾りリボンを解き蓋を開けるとハートの形をした小さなチョコレートタルトが3つ並んでおりその一つ掴み取ると口の中に放り込みもくもくと食む
その様子を不安そうに除き込む天馬
「やっぱり美味しくない…?」
「いや、うまい」
「ほ、本当に…」
「嘘、言ってどうするんだよ」
その言葉が嬉しくてふわりと微笑む天馬を見て剣城は可愛いと心の中で呟きぐっ、と天馬に近寄り耳元で囁いた
「ありがとな、天馬」
「う、うん!」
天馬はビターチョコレートを選んでくれた葵に改めて感謝しつつ剣城が喜んでくれたことがとても嬉しくて剣城に抱きついた
君の為にビターショコラを―
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「ふふ、天馬っば」
「葵ちゃん嬉しそうだね」
「そりゃぁ、幼馴染みが幸せそうなのは嬉しいわよ」
「そんなもんかね-」
「確かに僕も嬉しいかも!」
「本当に幸せそうですねあの二人」
「はぁ…もういいからいい加減に中に入らせてくれよ」
なんて同級生の会話が扉の向こうでなされていたなんて二人は知らない
Happy Valentine!!!
end
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