最後の授業が終わり信助と狩屋は教室の掃除で葵はマネージャーとしての集まりがあろそうで
俺は騒がしくなる教室を一人で抜けだし部活へと向かう途中、キャプテンと霧野センパイを見つけ声をかけた

「キャプテーン!霧野センパーイ!…
その紙袋って…」

「あぁ、全部チョコレートだよ」

「すごいですね…」

「って言っても毎年だからもう慣れたよ、なぁ神童」

「まぁ」

キャプテンと霧野センパイのやり取りを見ていると
もしかしたら剣城はもこんなにたくさん貰ってるのかな…?
と、そんなことを考えると胸がきゅぅっと締め付けられるよな痛みに襲われた。

「天馬、どうかしたか?」

「え?あ、いえなんでもないですよ!
俺、先に行ってますね!!」

キャプテンに声をかけられドキリとしたが
胸の痛みを誤魔化すようにその場を離れサッカー棟へ急いだ
まだ、誰もいない部室はシン‐としていて居心地が悪かったがとりあえず着替えようとロッカーに手を伸ばしたその時、自動ドアが開き誰か来たのだろうと目線だけ動かすとそこに立っていたのは剣城だった

「なんだ、松風一人か?」

「あ、うん信助と狩屋は教室掃除
葵はマネージャーの集まりに行ってる」

「…そうか」

あまり興味がないのか愛想のない返事だけが返ってきて
ふと剣城の手元をみるとキャプテンや霧野センパイのような大きな紙袋ではないにしろその紙袋の中には可愛らしくラッピングされたチョコレートと思われるものがたくさん入っていた

「たくさんあるね」

「は?」

「いや、それヴァレンタインのチョコでしょ?」

「あぁ…」

それはまるで忌々しいものを見るかのような目つきで紙袋を睨みつける剣城を見てますます俺から渡すなんてことができなくなってしまった…
これ以上考えていたら泣きそうになったので乱暴にロッカーを開け着替えを始めようとしたが背中に温かいものが当たった
それがなんなのか考えているとぎゅっと剣城に抱きしめられてしまっていた。

「つ、剣城!!?
どうしたのさ急に!?」

「なんか今日のおまえ変だったから…」

「え…?」

今日って…今日剣城に会うのはこれで二回目のはずなのになんで…
ぐるぐる考えていたら顔をぐいっと剣城のほうに向けさせられてしまい恥かしくて顔に熱が集中していくのがわかり慌てて剣城から離れようとしたがさらに強い力で抱きしめられてしまい身動きが取れなくなってしまった。



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