ヴァレンタイン当日
学校内は今までにないような雰囲気に包まれていた。
女子は誰に渡すの?もう渡した?などの会話を楽しみ
男子はそわそわとして落ち着かないようだった。

「信助ー、狩屋くんはい、マネージャーからのヴァレンタイン」

「わぁ!ありがとう葵ちゃん!」

「なんかマネージャーからってのがひっかるなぁ」

「いらないならいいわよ別に」

「いやいや冗談だって;;」

「素直に受け取ればいいのに
あ、天馬もはいどーぞ」

「ありがとう葵」

友達同士でのチョコレートの渡しあいにきゃっきゃっと騒いでると
ふと狩屋がそういえばとい切り出した

「剣城くんが女子からチョコ渡されるの見ちゃったんだよねー
なんか本命っぽかったし」

と、面白いものを見て楽しんでいるようだった

「やっぱ剣城って人気だよねぇ…って、天馬いいの剣城取られちゃうかもしれないよ!?」

「えぇ!?俺?」

「だって付き合ってるんでしょ?」

「そ!それは…」

部員なら誰もが知っている公認の仲ではあるのだが改めて言われてしまうと恥ずかしく俯いてしまいそれを見た信助が狩屋に話しかけた

「あ、そういえば霧野センパイもたくさん貰ってたね狩屋!」

「はぁ!?なんで今度は俺なんだよ!?
しかも霧野センパイは関係ないだろ!!」

「またまたぁ〜」

「あ‐もう!信助くん!!」

狩屋をからかう信助を笑いながら見ていた天馬だったがチクチクと胸が痛むの感じていた
あぁ、やっぱり剣城はモテるんだなぁとか俺からのヴァレンタインなんてと珍しくネガティブ思考になっていた。

「天馬?」

「っ!
な、なに?」

「次の授業移動教室だからそろそろ行こう」

「あ…うん」

移動教室、葵の言葉を聞いて教科書や筆箱を抱え4人で教室をでると
今はあまり会いたくない剣城の姿を視界にとらえてしまい早く移動先の教室に行きたかったのだが信助が剣城に声をかけたためそれは叶わなかった。

「あ、剣城!
さっきの授業、体育だったの?」

「あぁ」

「あ、剣城くん部活のときにチョコレート渡すね
マネージャーとして」

クスリと笑った葵の顔をみてどーも、と返す剣城を見てまた胸がチクチクと痛むの天馬は感じ
早く教室に移動したいなと思ったと同時に授業開始5分前の予鈴が鳴り
急がなきゃと4人が慌てだしバタバタと走り去ってしまうのを剣城は呆れた目で見ていたがなんとなく天馬の様子がおかしいような気がしてしばらく天馬を見つめていた。


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