白い肌


剣城をみていると本当に肌が白い…
焼けないの?って聞いたら
赤くなって終わりだって言われた。

俺なんかもとから肌が小麦だから夏になるとすぐに真っ黒…
になる前に秋ねぇから日焼け止めを大量に塗られたのが記憶に新しい

「ねぇ、剣城」

「ん?」

「手…赤い」

「あ?…あぁ
冬はいつもこうなるんだよ」

「痛くないの?」

「慣れた」

「そっか…」

ときどき剣城の手を盗み見るとたまに摩ったりしていて
やっぱり痛そうだなって思う
あ…そうだ

「剣城、俺の家寄らない?」

「なんだ急に…」

「いいから!」

「お、おい松風!?」

剣城の言葉は風に消え腕をつか家まで走った。


「ただいま! 
秋ねぇハンドクリーム持ってない?」

「おかえり、ハンドクリーム?
あるけどどうしたの?」

「剣城の手が…」

「はぁ?いいって!」

「あら…大変!あかぎれになってるわよ
ちょっと待ってて薬、持ってくるから!」

「いや、あの…!」

「剣城、座って」

「……」

諦めたのかおとなしく座って秋ねぇが戻ってくるのを待っている間も
手を掻いたりしていた

「痛い?」

「痒いし…痛い」

痛いという言葉は小さくて聞き取りづらかったけど
たぶんこんな姿を見られたくはなかったのかもしれない

「おまたせぇ
すぐ終わるからね」

「す、すみません…」

「いいのよ、慣れてるもの」

ふふっと笑いながら秋ねぇは剣城の手に薬用クリームを塗り
ガーゼと包帯で保護してくれた。

「はい、しばらく薬を塗ったほうがいいだろうから
これ持って帰っていいわよ」

「いや、そんな」

「いいよ剣城もって帰って
まだ新しいやつあるし」

「そうそう、うちは怪我をする子が多いから」

「あ、りがとうございます…」


そのあとは部屋に移動して
秋ねぇの作ったクッキーを二人で食べて他愛もない話をしていた


「もしかして剣城、毎年そんなになっても
手のあかぎれ放っておいたの?」

「別に気にならなかったし」

「でも、せっかく綺麗なんだからもったいないよ」

「綺麗じゃねぇよ
それに冬が終われば元に戻る」

「見てて痛々しいよ…」

「…悪かったな」

乱暴に頭を撫でられ剣城に抱きしめられた

「つ、るぎ?」

「ちゃんと薬塗って治せばいいんだろ」

「…うん!」


俺とは違って真っ白で細くて綺麗な剣城の手
治ったら手を繋いで一緒に過ごそう―

end


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