ふわふわ


浜野がいきなり天馬の髪がふわふわして気持ち良さそう!と言い出し松風の髪に触ろうとして剣城に殺気のこもった瞳で睨まれ断念していた

「ちゅーか剣城そんなに睨むなって
鬼みてー」

「浜野くんそれは言い過ぎですよ…」
「剣城もそんなに睨むことじゃ…」

「お前は黙ってろ
浜野先輩が松風に触ろうとするのが悪いんですよ
だいたい、浜野先輩だって速水先輩が誰かに触れるの嫌なんじゃないですか?」

「あー…
確かにそうかも…」

『『は、恥ずかしい…』』


あれ、いつから惚気大会になったんだ?
少し離れた所でぼーっと4人を眺めていると隣で溜め息が聞こえた

「はぁ…」
「神童?」
「ぁ、いや…
仲がいいなあいつら」
「そう、だな…」

「羨ましいな」

「……」

今、羨ましいって聞こえた
ほとんど消えかけた声だったが確かに聞こえた
神童の方を見ると呆れながらも微笑んで
だけど寂しそうにあの4人を見ていた

「神童…」
「なんだ?」
「もしかして寂しい?」
「な、なんで…!?」
「なんか寂しそうな顔してたから」「べ、つに…」

少し、しゅんとする神童を見ているとまるで仔犬

「ふわふわしてて気持ち良さそう…」
「え?」
「神童の髪」
「別に普通だぞ…」

手を伸ばし髪に触れるとやっぱりふわふわしていて気持ちがいい
少し赤くなりながらも黙って触らせてくれる神童は優しい
いつまでも触っていたくて抱きしめたくなるそんな気持ちを抑えながら触るのをやめた

「やっぱりふわふわしてて気持ちがいい」
「そうか…?」
「ああ」
「………」

恥ずかしいのか、うつむき更に頬が赤く染まる神童を見て気付いたら抱きしめていた

「きッ、霧野!?」
「神童…可愛い」
「なッ…!」

ふわふわしてて暖かい
誰にも触れさせない神童に触れていいのは俺だけ
あぁもっと早く抱きしめていれば良かった―




「俺達、邪魔じゃね?」
「そうですね」
『『帰りたい…』』
end


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