姉の実力
「なぁ、姉さん」
修行に付き合ってくれないか。
復讐という呪縛から解き放たれたサスケは、今度は“兄姉”を守ために力を求めるようになった。
温かい風が吹く。
それにより桜の花弁が宙を舞う。
「手加減はナシな」
『はいはい』
サスケはクナイを構えて戦闘体勢に入る。
斬り込んで来るサスケを○○はクナイで軽々受け止める。
しかし、そんな真っ向勝負なんてするのはナルトぐらいで、サスケは忍らしからぬ行動はしない。
サスケは力の均衡を崩し、回し蹴りを仕掛ける。
○○はそれを爆転して躱す。
○○は一度目を閉じて、再びゆっくり開いた。
―…片目だけの写輪眼
彼女はカカシ先輩みたいだ、と少し笑った。
片目だけだとその分視界が狭まる。
日向一族の白眼なら補えるだろうが、写輪眼はそうもいかない。
ヒュンヒュンと音がする。
『影手裏剣か…』
しかし○○はそれを避けようとしない。
「!!」
死角から狙ったのは自分だが、姉が気づかないわけがない。
しかし、本当に避けなかったら大怪我を負ってしまう。
刹那、サスケは背中にぴとっという感触を感じた。
それと同時に、プツンと世界が切り替わる。
『はい、おはよう』
そこには風魔手裏剣も無く、目の前にいた○○もいない。
自身の背後に、目の前にいるはずの姉がいる。
『背後取られたら、お終いだよ?』
「幻術、か…」
サスケはまんまと幻術に引っかかっていた。
幻術の対処法は身につけていたはずなのに、見破れなかった。
悔しい。
サスケは奥歯を噛み締める。
「どこから幻術だった?」
『クナイで受け止めたとこ』
気づかなかったでしょ?
こうやって背後を取って、ザクッとやるの。
これが暗部、うちは○○の戦い方
「ズルい」
ふいっとそっぽを向いてしまう弟の頭を撫でる。
『じゃぁ次は幻術ナシね』
○○の黒色が紅に変わった。
(姉さん、サスケ!お昼にしよう)
(そうだね)
(花見しようと思って弁当作ったんだ)
(おぉ!)
(…サスケ、姉さんは強いだろ?)
(……あぁ)
***
N様リクエストありがとうございました。
「姉の実力を知り驚くサスケ」、いかがだったでしょうか。
結局、姉も幻術を使うっていうブラコン兄姉。
イタチは相も変わらず、額を小突いて終了。
基本的にイタチと姉の戦い方は似ている設定。
戦闘力としてはうちは一族の中でイタチがズバ抜けているけど、暗殺やら医療やら幻術やらは姉さんが一番。
二人共幻術大好き。
戦闘シーンが書けなさ過ぎて笑った。