「ねぇ、ルフィは?」

次々と並べられていく朝食と、順番に起きだしてきたクルーを見ながらナミが誰にともなく聞いた。
「そーいやいねぇな…」
「いつもなら真っ先に起きてくるのに…」
ウソップとチョッパーがそう言いながら席に着く。その間にも所狭しと並べていく朝食。

「おや?ルフィさんの姿が見えませんねぇ?」

最後にダイニングに入ってきたブルックがそう言って席に着く。





「みんなは先に食べててくれ。ルフィはおれが起こしてくるから」


すると、それを待っていたかのようにサンジがそう言って、足早にダイニングを出ていった。



閉まった扉の向こうから、「やっぱり…」だとか「昨夜は激しかったのね」なんて声が聞こえてきて。
クルー達にバレていた気まずさに、サンジはガリガリと頭を掻きながら男部屋に向かった。


*


「ルフィ、朝飯だぞ」
男部屋に入り、ルフィのボンクを覗き込みながらそう声をかける。
「んん〜……めしぃ〜〜…」
「起きろって」
もぞりと動いた毛布の中から聞こえてきた声に苦笑を漏らしながら、こんもりと膨らんだ毛布の山をぽんぽんと優しく叩いてやる。
「、ん〜……、」
「おら、ルフィ」
「ん〜…、サンジぃ…だっこぉ……」
「なに言ってんだ。出てこいって」
抱っこ、と言いながらさらに毛布の中にもぐりこむルフィ。
「朝飯食わねぇのか?」
「くう…、でも、ねみぃ……」
「早くしねぇとなくなるぜ?」
「やあ〜…、おれもくう〜…」
「なら出てこいって」
「んぅ〜…」
そうして、ようやく毛布の中から出てきた黒髪を、サンジは優しく撫でてやる。
「目ぇ覚めたか?」
「、だれのせいだとおもってんだ…」
「だから起こしにきてやっただろ?」
髪を撫でるサンジの手を取り、懐くように頬ずりするルフィ。
「めしのにおいだ…」
サンジの手の平で自分の鼻と口元を覆って、すんすんと匂いを嗅ぐ。
「だーから、さっきから言ってんだろ?朝飯の時間だ」
「はらへったぁ〜」
「だったらいい加減出てこい」
「…だっこ、」
ルフィは毛布から上半身だけを出して、サンジに向かって両手を伸ばす。
「ったく、ガキかお前は…」
言いながら体を屈めるとルフィの両腕がサンジの首に絡みつく。
背中に腕を回して体を起こしてやると、にししっ、と嬉しそうに笑うルフィ。
「…なんだよ?」
「ん?サンジがやさしーなーっておもって」
「…っ」
まだ眠いのか、舌足らずな声に耳元でそう言われて、思わず息を呑むサンジ。
「おら、自分で歩け」
「やっ!」
このままではマズイと思いルフィを下ろそうとするも、それを拒むようにルフィが首に回した腕に力を込める。
「…メシ食えなくなってもいいのか?」
「それもやだ」
暗に昨夜の続きを匂わせるサンジに、即座に答えるルフィ。
それにほんの少し肩を落としつつ、ルフィの体を離そうとするけれど、ルフィに離れる気はないようで。
「だったら歩け」
「やっ!」
「、あのな…」
まるで赤ん坊か何かのように自分にしがみついてくるルフィに、あからさまに溜め息を吐くサンジ。そんなサンジを意にも介さず、ルフィはその肩に頬を摺り寄せる。
しかし、サンジがそのまま動かないことに気付くと、落ちないように体を離してサンジと目を合わせる。
「歩く気になったか?」
「いーや」
「っ!」
目を合わせたままルフィがにぃ、と笑ったかと思うと、ちゅっ、と音を立てて口付けられて。
大きく目を見開くサンジに、微かに頬を染めながらしてやったりと笑顔を浮かべる。
そうして、サンジを見つめたまま囁くように声を潜めて言う。


「ダイニングの前まででいいから、このままがいい」

「ハイハイ…。仰せの通りに、マイハニー」



その言葉に、一瞬の間をあけたあとボンッと音がしそうなほど顔を赤くするルフィ。



「…、はずかしいやつだな〜」
「……メシ抜きにして動けなくしてやろうか?」
「っ、メシ抜きはやだ」


赤くなった顔を隠すように自分の首筋に顔を埋めて言うルフィ。そうすることで晒された首筋にちゅう、と吸い付き赤い痕を一つ残す。




キレイに付いた痕を満足そうに一舐めしてサンジは、正面から抱いていたルフィの体を横抱きにしてダイニングへ向かった。


「エロサンジめ」
「…んなこと言って、覚悟は出来てんだろうなぁ?」
「っ!……メシ増やしてくれるんならいーぞ」
「!…マジかよ…」
「メシ増やしてくれんのか?」
「…、考えとく…」

[お寝坊ハニー]



こいするBLUEの日向アカネさまから管理人の誕生日にとお祝いでいただいてしまいました。
アカネさんのあまあまレアサンルいただけてめっちゃ嬉しいです///あざました!!!

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