10月6日、今日はおれらの偉大なるロー船長の誕生日。
船内では毎年恒例サプライズ誕生パーティの準備で大忙しだ。しかしいま、多大なる問題がおきている。

「おいキャスいたか!?」
「わっかんねぇ!どこいったんだよ〜」

船 長 が い な い

え?なにこれ?逆サプライズ?ばっちりくす玉とクラッカーまで用意して、約1ヶ月前からバレないように周到に周到に準備してきたんだぞ!

だからいま、勝手に船内をうろつかれたりしたら困るわけで。ベポを見張りにやったのにあいつも見当たらないし。

船をおりたのかとも考えたがおれたちに一言もなく出るということもいままでなかったんだ。やはり船内にいるにちがいない。

ペンギンとふたりでもんもん考えていたらどたばたとかけよってくる足音。人間じゃない。くまだ。

「ベポ!」
「あ、キャスとペンギン」
「おい船長は!?今日いちにち見当たらないんだ」

おまえしってるか!そう問いただせばベポはゆっくりはにかんである場所をゆびさした。そこは太陽がさんさんとふりそそぐ、とっても暖かい甲板。おれとペンギンは「ええ!」と顔を見あわした。

灯台下暗しとはこのことである。あんな広々としたところを誰もさがしにいってないなんて。(いやキャプテンは太陽にあたるのをきらい甲板にでることなんてめったにないのだ)。

ゆっくりうしろをむいて座っている船長にちかづくと、どうやらひとりぶんの影ではない。ふたり、いる?ひょっこりとのぞいてみればそこには麦わらの姿。なんとふたりしてすやすやねむっているではないか。

「せ、船長・・・」
「麦わら・・・」
「し-っ!起きちゃうよ」

足音をたてないようにこっそり正面にまわる。・・・船長の寝顔なんてはじめてみるかもしれない。

「寝顔もこわ!」
「寝てても悪人ずらだな」
「麦わらかわいい」
「天使かとおもった」

さんにんでくすくす笑ってふと気がつく。船長にはとても似合わない、花のかんむり花の首飾りを身につけている(いよいよおれらの腹筋は崩壊だ)。

でも、ふたりはとても幸せそうで。

「べつに誕生日パーティは焦らなくていいな」
「うん、そっとしておこうよ」
「写真とっとこ-ぜ」



その夜、麦わらをくわえ船長のサプライズパーティをした。あいかわらず口では「たかが誕生日に」と言ってたけど、やっぱりうれしそうだった。へへへ。

「船長ーっ!誕生日おめでとうございます!」
「ローっ!おめでとうっ!ししし」

「・・・ありがとよ」

究極のつんでれ船長がみんな愛しいんです。あらためて、おめでとうございますロー船長!

byキャスケット


fin.
悪くない一日



記憶の欠片とABCのおあんさまからfreeとのことでいただいてきました。
おさんさんの小説を読むといつも心なごみます////
ごちそうさまです!



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -