こうも暑いと体が溶けそうになる。
冷房が上手く稼働しない部屋なんて居るだけで拷問を受けている気分だ。

「あち―…」
「…エアコン壊れてるって言っただろ」
「ふふ…軟弱だな麦わら屋」
「てめぇは暑苦しいその帽子を脱げ」

うだるような暑さに俺は下着1枚という肌を露出した姿。
友達の家だ、出かける予定もないし、別に問題ないと思う。
他の二人だってランニング1枚にラフなハーフパンツ。

しかし、顎髭が生えた短髪の男…ローだけ何故かファーの帽子を被っている。
タオルで赤髪をあげている、キッドが思わずそう言うのも無理はない。

「あち―あち―…」

だらりと舌を出して手で微量の風を作る、大して涼むはずなんかないなんてのは知っている。
その光景を鼻で笑ったローが「涼しくなる方法でも教えてやろうか?」と言ってきた。
もちろん暑いのが堪えらんない俺はすぐさまに返事した。
するとアイツは立ち上がってどこかに消えていく、ガチャという音がした。
どうやら何かを開けた音のようだ。

ここキッドの部屋なんだけどな…。


チラリと隣を見るとキッドは呆れたような顔して溜め息を漏らし、へばっている俺と眼が合う。
ぱたぱたと自分に向けていたうちわの風を俺に向けてくれたから俺はニッと笑ってみせた。

「ー…麦わら屋」
「んぁ?」

ほらよ、と手を差し伸べられて渡されたのは白とブルーに彩られたカップアイスだ。
キッドが「勝手に持ち出すな」とか言って睨みつけてたけどローは「かてぇこと言うなよ」と鼻で笑って返した。

思わぬ報酬に俺はロー側へ気持ちを寄せる。
勿論、持ち主であるキッドにも礼を言うと渋々「仕方ねぇな」って言ってくれた。

ニッと笑ってローの方で手を伸ばすと、
ふわりとローの手が揺れた。

「ありがー…ッ」


ぼとり、と逆さまになったカップアイスが胡座をかいていた太ももに落下する。
予想にもなかった冷たい感触にびくりと体が揺れてカップだけが零れた。

「つめて…ッ!おいお前今ワザと落としただろ!もったいねぇことするなよ!!」

自分の口にアイスが入らなくなった事実にカッとなってしまう。
キッドは隣で額を押さえて喉の奥で笑い、ローはニヤリと口元だけで笑った。

「食えばいいんだろ?」
「な、」

すっと俺の前で膝をついて、太ももに乗ったアイスをぺろりと舐められる。
つー…と脹ら脛まで伝った溶け出したなれの果てを辿るようにローの舌がアイスを追う。

「ロー…!くすぐ…ッ、ンぁ」

冷たいアイスと熱い舌が混ざり合ったような温度にぞくりと体が震えた。
べちょり、とアイスの塊に指が入り、摘み取ったそれを腹へ塗られる。

「ひゃ…!つめた…ふ…ッ」

ニヤリと口元が歪んで、その唇が腹へと這う。
へその局部をれろりと舌で舐められ、グリグリとかき回される。

「ロー…ぉ!や、だぁ…!!」
「、麦わら」

ふっと耳元で息を吹きかけられ、低いその声で名前を呼ばれた。
ぐち、と耳元で大きな音が鳴り、ぬれっとした感触が耳に触れる。
抵抗しようにもキッドが俺の脇に腕を回して抱きかかえるような姿勢にされる。
交錯した両腕が、一度に露出した胸元の突起をきゅ、と摘んだ。

「ふ、はァ…や、やだ…ッ」

腹と太腿で溶けている哀れなアイス以上に、自分の視界も溶け出してきて
ただ前後から襲う刺激に身体を震わすだけだった。

「麦わら屋、あめぇな」
「ンっ…!ふぁ、はッ」

ちゅく、と音を鳴らして下着の裾、脚の付け根に舌の温度が走る。
僅かな布の隙間から侵入してくる感触が生温くて仕方がない。
かと言って下半身にばかり刺激が襲うのではなく、
ほぼ同時に胸元、耳へと熱い温度がまさぐってくる。

「う、んく…、なぁ、も…や…ッ」

いやいやと顔を左右に揺らすと、キッドに頭を掴まれて無理矢理唇を押さえつけられる。
強引に入り込んだ舌に己の舌も奪われてただその熱に翻弄される。

「ずりーよ」なんて不機嫌な声が聞こえたと思えばぐいっと脚を開かれる痛みが走った。
なにが起こってるんだ?と確かようにも顔全部がキッドへ向けられていて一向に離してくれる気配もない。

「ん、む…ん、…ンン!!」

唇を開放され、空気中に漂う舌がれろっとキッドの舌に拾われる。
咥内で行われていた愛撫が今度は口外で。

唾液が顎を伝って零れ、息継ぎも辛い。
そんな時に、ぞくりと悪寒が走った。

下半身に潜んでいた刺激の対象がローの手にすっぽりと覆われ
指の間から先走りの精液が溢れているのが
見なくとも、分かる。

「キモチイイだろ」

ふわっと左耳に息を吹きかけられ、ローが事細かに様子を伝える。

先走りの液体がどれくらいの粘り具合だとか、
推測だとしても何日溜めてたんだろ、とか

それでもそれを全部誤魔化すように

「ひゃ、ン!!つめた…、ァ!」

ぬる、とバニラの濃厚なアイスが主張した欲にまとわりつく。
まとわりついたおかげで更にアイスは溶け出し、滑りをよくした指が上下に揺れてどくんと脈打つ音が体内に響いた。

そんな状態で俺の呼吸は絶え絶えになっている。
それでもキッドは相変わらず俺の唇を唾液で濡らして貪るのを止めない。

きゅぅと唇に舌が拾われてぱくっと舌の真ん中まで唇にくわえられる。
舌の裏側をつつくような刺激はきっと本来ならくすぐったいのかもしれない、今は喉の奥からくるぞくぞくとした感じに奪われている。

舌を捕らえられている中で呼吸を繰り返して、むせかえるように咳き込む。
苦しくて、ぎゅっとキッドのハーフパンツを握りしめてもキッドは角度を変えて深く口付けを落とすだけ。

こぷり…、ローの手の中に潜む欲から精液が流れ落ちて異様な臭いを放した。
ふ、と、そちらと目線を送ると、ニヤリとローが笑いかけてくる。
待ってました。と言わんばかりぱくりと欲に喰らいついてころころと舌で溶けたアイスを味わうように、時折、じゅるりと音を立てた快楽が襲う。

「ふ―ッ、ん、ふ―…ハッ!」

ちゅぱ、とキッドからの口付けが解放され、くたりと上半身を落として腹を曲げた。
つんとする臭いが鼻にかかり、うっすらと開けた眼にはローが写る。

鼻がぶつかり合うキスをして、
男は満足気に笑った。





(ごちそうさまでした。)












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アイスクリーム★シンドローム
…真夏の誘惑にご注意!




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CHELSEAの輝さまからfreeとのことでいただいてきました!!大好き3船長が密着してますね///
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