ロールSS(おあん様より相互記念) | ナノ






放課後図書室で医学書を読むのが好きだった。べつに優等生ぶっているわけではない。ただ静かに夕日が注がれたこの雰囲気がなんともいえない感覚におちいらせてくれる。

1冊をもうすこしで読み終える、そんなとき。この静けさを打ち破るようにどたどたと足音が廊下から響いた。

ああもうそんな時間か、気がつけば随分と日は暮れている。廊下を見れば変なシルエットがぴょこぴょこ跳びはねていた。

本にしおりを挟み、ゆっくり腰を上げてドアを開ければそこには予想通りの人物がにこにこと立っている。

「べつに入ってくればいいだろ?」
「ローが読み終えるまで待っとこうと思ったんだ」
「外でそうやって待ってられるほうが気になる」

きょとんとしているルフィにため息をひとつついて、おれは彼の手をとり図書室に招き隣に座らせる。再びここは静かな空間に戻り、おれは読みかけの本のページをめくった。

しかし途中ちらちらと視線が気になる。ルフィのほうに目をやると案の定、ばっちりとおれのほうに顔を向けていた。気になってしょうがない。

「おい・・・ンな見てんじゃねぇよ」
「いいから続き読めよー」
「じゃあ前向いとけ」
「いやだ!」

一体なんなんだ。この状況でゆっくり本を見れるやつがいるのなら教えて欲しい。おれは片手でルフィの顔を覆うがこいつは両手で指の隙間からのぞきこもうとする。もう一度言う、一体なんなんだ。

「っ、麦わら屋!落ち着いて読めねぇだろうが!」
「いーやーだー!」

頑なに拒むこいつにさすがにいらいらしておもいっきり睨んでやればさすがに効いたのかしゅんと下を向く。そして弱々しく口を開いた。

「ローの本読んでる姿、かっこいくて、すっすきだから見てたかったんだ」

ばさり、おれは片手で持っていた本をつい落としてしまった。おいおいページがわからなくなったじゃねぇか。

恥ずかしさからか、ぷいっと後ろを向くルフィは耳まで真っ赤にさせている。3回目だが言う、一体なんなんだ。

この可愛い生き物は。


ふわりと後ろから抱きしめてやれば一瞬びくっと身体をふるわせる。おそるおそる振り向いてくるからすきをついて唇にはむりと食いついてやった。ルフィは目をまるくして慌てるように周りを確認したが、なにを考えてるかなんてわかっている。

「誰もこねぇよ」

くいっと手を引けば安心したように今度はルフィから唇を重ねてきた。

瞬間、この静かな図書室はふたりの吐息が混じり合う空間へと姿を変えていったのだった。









残 り あ と 8 ペ ー ジ
ああ、もう続きなんてどうでもよくなってしまったじゃないか。

fin.

残りあと8ページ

100705

……………………
記憶の欠片とABCのおあん様より相互記念にいただきました!!
私のリク「ロール学パロ、ローがルフィといるとペースを崩されるでもラブラブ」が見事にかなったらぶちゅちゅSSに私はもうメロメロです!

おあんちゃん有難う!!

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